「アピアランス」とは

サービス業で「アピアランス」という言葉が使われます。「アピアランスがわるい」と評価が下がるのです。スタッフの中には、アピアランスがわるいので接客から外された、ということも起こっているようです。想像がつくと思いますが、アピアランスは、いわゆる
・身だしなみ
のことです。英語のappearanceの直訳は「容姿」「見かけ」「外観」です。ビジネスで用いられるときは、正確に表現しているとも思えません。その点を考えてみたいと思います。

ビジネス上のアピアランス

飲食業界やサービス業で働いていると、「アピアランスを整えなさい」と指導されることがあります。この「アピアランス(appearance)」とは、一体どこまでを定義するのでしょうか。身だしなみという日本語もありますが、範囲があいまいです。定義としては、単なる「おしゃれ」のことではありません。

サービス業におけるアピアランスとは、お客様に不快感を与えないための「清潔感」を指します。このアピアランスがわるいと、ときには「スタッフとしてふさわしくない」という厳しい評価にまでつながってしまうのです。清潔感に関しては人は敏感であり、非常に敏感に感じる人もいるので、評価指標として重要になってくるのです。人が他人に会ったときに判断する時間数は非常に短い。ひょっとすると数秒で決めているはずです。「この人ならいい」「この人はだめ」と感じるまでのスピードを測定してみてください。短いときは1秒もかかっていないはずです。

そのような一瞬で判断されるアピアランスだからこそ、「信頼」に直結すると感じています。

決定的な違いとは、「おしゃれ」と「身だしなみ」

ここで考えたいのは、「アピアランス=身だしなみ・清潔感」であり、「おしゃれ」とは根本的に異なるという点です。ちがいは次のとおり。

  • おしゃれ:自分のため、自己表現。主観的。他人評価は気にしない。個性表現手法のひとつ
  • 身だしなみ:お客様のため、他者への配慮。客観的。他者の気分を優先する、他者優先の視点

サービス業の現場では、個人の好みや「おしゃれ」よりも、お客様を「不快にさせない」だけでなく、「気分よく」させることが優先。他者優先という視点で考えれば、アピアランスが絶対的に優先されると感じます。

まとめ

ビジネスにおけるアピアランス(身だしなみ)は、単なるルールではなく、他者視点の優先だと感じました。視野の広さがお客様まで到達しているのかがポイントです。「アピアランスがわるい」という評価は、「衛生意識が低い」というだけではないと感じます。視野を広げ、そこまで意識を到達させることだと考えています。

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