米国貨物で大幅減少

トラック輸送量が前年比で17%も減少したと米国のニュースで報道しています。物流は経済の動きをリアルに表す指標なので、物流が大幅に減少しているのであれば、経済の減速は否定できません。モノの移動が減っている事実があるならば、企業売上も減っていることになります。実態のデータがいつ出てくるかは未定ですが、この先の経済予測の指標として物流指標は大きな影響を与えるでしょう。

物流は経済の血流です。その心臓部である米国の貨物市場で、今、異変が起きています。物流・サプライチェーンのデータ分析の専門家は、現在の市場状況を「エピック・コラプス(歴史的な崩壊)」と表現し、厳しい警鐘を鳴らしています。

見過ごせない物流市場

トラック輸送量の前年比17%減少も大きなインパクトですが、他にも

・産業セクターや長距離輸送される貨物、つまりエネルギー、自動車、住宅、製造業を見ると、前年比で30%減少

というデータも出てきています。エネルギーや自動車、住宅、製造業は経済の根幹であり、そこに関しては3割ダウンと大きい減少幅になっていることに注目です。これは、米国経済の中核である「モノの経済(Goods Economy)」が、極めて速いスピードで減速していることの明確な証拠だと感じます。企業が、新製品や在庫、原材料の輸送を劇的に減らしている可能性が高く、景気後退の兆候としてとらえられています。

まとめ

米国貨物市場の状況は、経済の健全性を示す「バロメーター」が異常な値を示していることを意味します。この警鐘を真摯に受け止め、企業は在庫やサプライチェーン戦略の見直しを、個人は経済的な備えを、これまで以上に真剣に行う必要がありそうです。この「物流発の経済ショック」が今後どのように展開していくのか、引き続き注視していきます。

前年比のトラッキング量、これは米国全土を移動する貨物の大部分を占めていますが、17%減少しています」。「しかし、産業セクターや長距離輸送される貨物、つまりエネルギー、自動車、住宅、製造業を見ると、前年比で30%減少しており、これは非常に深刻な金融危機のレベル

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