言い争いたくない
争いたくない、言い争いたくない世代がZ世代と言われています。上の世代から見れば弱さを感じます。しかし本当でしょうか。解釈によっては、それが新しい強さということも言えるかもしれません。そんなことについて考えてみたいと思います。
何かあるのでは
「もっとガツガツいかないと成長しないよ」とオフィスでこんな言葉を聞いたことがある人、けっこういるかもしれません。上の世代の割合が大きいほどそんな経験があると思います。上の世代は競争が激しくて生き残りをかけて仕事をしていた感じを持っています。そのためアドバイスがそのような内容になってしまうのでしょう。
でも、ちょっとここで考えてみたいことがあります。Z世代が「争わない」のは、意見がないからでも、やる気がないからでもなく、その裏に何か隠されているのではないかと感じたのです。
「対立=成長」の時代はもう終わった
上の世代にとって、オフィスでの議論やぶつかり合いは「成長の糧」でした。会議で激しくやり合って、飲みの席で「さっきは言いすぎたな」と笑い合う。そんな文化の中で鍛えられてきたのです。その経験則から見れば、意見を言わない若手は物足りなく見えるのかもしれません。主体性がないとか、向上心がないとか言われてしまうのです。
でもZ世代が育ってきた環境は、まるで違います。SNSが当たり前にある世界では、一度の発言が切り取られ、拡散され、炎上するリスクが常にある。「言わなきゃよかった」が取り返しのつかないダメージになることを、こどものころから肌で知っています。争わないのは、臆病だからじゃない。リスクの本質を理解していると言えるでしょう。
「空気を読む」のではなく「空気を壊さない」
よく「Z世代は空気を読む」と言われますが、もう少し正確に言うと「空気を壊さないように立ち回る」のほうが近いと感じています。対立そのものを避けたいのではなく、対立によって関係性が壊れることを避けたいんです。だからこそ、正面からぶつかるのを避けるのでしょう。
これは「弱さ」ではなく、高度なコミュニケーション戦略と見てもいいのではと考えています。限られたエネルギーを人間関係の修復ではなく、もっと建設的なことに使いたいという合理的な判断とも言えるでしょう。対立は世代を問わず、好む人はほとんどいません。そう考えると空気を壊さないことを優先するのも意味があると言えると思います。
まとめ
Z世代の「争いたくない」という感覚を、消極的だとか覇気がないとか捉えるのは簡単です。でもその奥にあるのは、無駄な消耗をせずに、自分も相手も大事にしたいという価値観です。考えてみれば、それって社会が長い時間をかけて目指してきた「成熟」そのものではないでしょうか。争わないZ世代は、弱いんじゃない。争わなくても前に進める方法を、静かに模索している世代なんだと思います。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆
