アタマがカタい

「ベテランはアタマがカタい」。若手や中堅からこうした声が直接上がることは、あまり聞いたことがありません。でも、心の中では思っているのではないでしょうか。デジタル、システムの操作について、「なんでやらないの?」と感じているかもしれないのです。

一方で、ベテラン側は「自分はもうこの歳だから」「もう前線から退いたほうがいい」という遠慮やあきらめの感覚が出ているのかもしれません。この溝は、放っておけば組織全体の停滞につながります。

大手企業でもやはりこのような問題が発生しています。大企業でも強制力はないようですね。企業規模に関係なく発生していることに注目しています。今回は、そのような状況をどのように解決するのかを考えてみたいと思います。

アンラーニングとは何か

アンラーニングという言葉があります。日常的に使う言葉ではありません。この言葉の意味は「学びほぐし」と訳されます。これまでの経験で身につけたスキルや考え方のうち、今の環境では通用しなくなったものを意識的に手放すことを意味します。でも、これはハードルが高い。過去、実績を出してきたスキルを捨てることには痛みがあるからです。心情としては、

・通用しなくなったことを認めたくない
・実績を出したスキルを捨てると今後の不安が大きくなる
・捨てると何も持っていない自分がそこにいるので何もできないのでは、と感じる

このような心理がある限り、アンラーニングに対して抵抗も大きいでしょう。

ここで大事なのは、過去の経験そのものを否定するわけではないという点。不要になったスキルを「捨てる」のではなく「一度しまう」という表現が最適。これは、経験の価値を認めたうえで、新しいスキルを受け入れる余白をつくるという考え方です。表現の方法で抵抗が減ることもあるので繊細に使いたい言葉です。

「置いていくもの」を選ぶ勇気

アンラーニングの研修では、参加者が「置いていくもの」と「持っていくもの」をシートに記入していく方法があります。置いていくものとしては、
・「プライド」
・「過去の成功(体験)」
などがあがるようです。

先ほども言いましたが、シートに書いたぐらいで、過去をいったん脇に置くことは、そう簡単にできないなと感じています。プライドや成功体験は、その人のキャリアの証であり、自己肯定感の土台でもあるからです。それを「置いていく」と宣言するには、相当な勇気が必要です。このプロセスを省略することはできません。ショートカットなく進むことできるためには、過去と同等の成功が結局のところ必要だと考えています。

まとめ

一気に成功体験をつくることはできません。そのためアンラーンングをするときは、きめ細かいサポートをしながら次のステージで何かしらの達成が欠かせません。サポートの必要性は、実践が止まらないようにするための施策でもあり、次のステージに行くことを約束させる環境構築だとここでは定義したいと思います。アンラーニングはハードルが高いと思いますが、乗り越えたときは成果も大きくなるのでぜひ取り組みたい内容だと思います。

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