ビハインド・ザ・カーブとは
日本銀行は2025年12月に政策金利を0.75%まで引き上げました。次はいつ1%に引き上げるのかが争点になっています。その時期に注目が集まっています。物価上昇スピードや日本国債10年の金利(長期金利)の上昇を見ると、そろそろ政策金利も1%にしなければ、という論調になってきました。というのも、政策金利の対応が遅ければ、問題が発生するからです。
このように、日本銀行の対応が後手に回ることを「ビハインド・ザ・カーブ」と呼んでいます。現在の日銀植田総裁は、どちらかといえば慎重派であり、後手に近いような決断タイミングをする人だと個人的には解釈しています。慌てて決めるよりは、遅い方が良い、と考えているタイプの人です。過去の決断タイミングを見ると、そのように感じています。そのため、次の政策金利引き上げのタイミングも後手には回らないが、はやくもない時期に決定されると思っています。
ビハインド・ザ・カーブ(Behind the curve)とは
中央銀行の政策対応がインフレや景気動向の急な変化に後手に回っている(遅れている)状態
日銀が遅れたとき、金利は「急騰」するのか
実際に日銀の対応が後手に回るとどうなるのか。インフレや物価高騰への対応が遅れることになりますので、インフレ加速の可能性が高くなります。過去のオイルショック時(1970年代)の物価上昇は年間で
・10%
でした。それと似たようなことが発生してもおかしくはない、と織り込んでおく必要があると感じています。
すでにあらゆるメーカーでは、値上げを通達しており、しかも値上げ幅が未確定の状態。中には、「・・%以上の値上げ予定」と書いてあるところもあり、先が読めない状況。ただ、コストアップインフレがスタートしたのは事実で、その上昇幅が
・大きいのか
・小さいのか
を見守っている状態です。
そんな中での舵取りを日銀には求められており、政策金利の決定タイミングは正念場を迎えたといえるでしょう。タイミングが遅れると、物価上昇がひどくなり、さらに金利上昇を招くことになります。金利をコントロールできない状況に一時的に陥る可能性があるのです。
日銀は「遅れやすい」
日銀が利上げに慎重な姿勢には、もうひとつ理由があります。
長年のデフレを脱却する途中であること。特に、注視しているが、継続的な賃金上昇です。それを確認できなければ、動けないのです。また、発行している日本国債の発行残高も減らしつつありますが、莫大な残のままです。植田総裁の「正常化」への道は評価されるべきものではありますが、その評価がメディアに出てくることはあまりありません。それより切迫した状況が目の前にあるからでしょう。
まとめ
状況を把握し、様子を見て、判断している。このような表現は、耳に心地よく響きます。しかし、この表現を用いることができるのは、カーブの前にいるときだけです。後ろに回った瞬間、選択肢は「急ハンドル」しか残らないでしょう。そうならないように願うばかりですが、時間とともに「選択肢が減っている」と個人的には感じているので、心配は増えるばかりです。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆
