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〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜fjコンサルタンツ藤原毅芳
統計で振り返る平成の30年間
平成という区切りで振り返ることに意味があるかはわかりませんが、
どこかで区切らなければ振り返りもしない。
なので「平成」という30年で振り返りをしたいと思います。
個人的には、昭和が「学生(勉強)」、平成は「社会人(仕事)」と
いう区切り。
そのため平成を振り返ることは個人的には仕事を振り返ることになります。
仕事に向き合ってどのように変化したのか、という側面もあり興味深い
ところがあります。
今回は統計データから30年間を振り返ってみます。
労働環境、経済状況の変化30年間
平成の30年間の「労働」と「経済」を統計データから振り返ると
労働
・非正規雇用が30年間で1,300万人増加
・65歳以上就業者が30年間で5.5%から12.9%へ増加
・女性の年齢階級別労働力率は「M字カーブ」から「台形」に近づく(米国を上回る)
・女性の社会進出が鉄道業や研究関係で増加
「統計が語る平成のあゆみ」(総務省)https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topi119.pdf
経済
・完全失業率が平成21年に5.5%の最高水準、その後2.3%まで低下
・消費支出が平成5年をピークに減少傾向(交際費減少)
・平成13年から緩やかなデフレ時代に
・勤め先収入は平成9年をピークに減少したが平成24年移行は増加傾向
「統計が語る平成のあゆみ」(総務省)https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topi119.pdf
となっています。
気になる点を取り上げてみます。
高齢者の就業(割合)が増加している
30年前の高齢者割合は5.5%でしたが平成30年には12.9%まで増加。
特に平成24年から高齢者の就業(割合)が増加していますね。
平成24年といえば、「第二次安倍政権」がスタート時期。
連動しているのがわかります。
生産労働人口の統計は15歳〜64歳の労働者数を示していますが
減少を続けています。
しかし、総労働人口は減っていません。
高齢者が生産労働人口減少分を補っている形。
その点を見逃すわけにはいきません。
この傾向は続くと感じています。
年金の支給開始時期も遅くなる傾向にあり、「年金もらえるまで」
働く人が増えているからです。
まわりでもそのような方がいるのではないでしょうか。
「65歳で引退する」と言っていた人が結局のところ70歳まで
仕事をする、というのを経験したことがあります。
それが統計にもあらわれているということ。
これからも高齢者の就業は経営にも大きな影響を与えるので
見逃せない点です。
完全失業率は30年間で上がって戻った
次の取り上げるのが「完全失業率」。
30年間でユニークな動きをしています。
完全失業率の最高値の山は2回ありました。
平成13〜15年ごろと平成22年の2回。
それの2つをピークとしながら現在は30年前の水準まで値が
下がっています。
きれいな山を描いているのです。
完全失業率が3%以上の状態は平成7年から平成27年まで約20年間
続いていたことにも気付かされます。
現在の人手不足状態(完全失業率3%以下)というのは実に20年ぶり。
経営の対応が遅いことにも納得がいきます。
20年ぶりのことなので戦略がかみあっていないのでしょう。
それほど現在の状況は久しぶりなのです。
消費支出が下がっている
2人以上の世帯における1ヶ月の消費支出額は平成5年をピークに
下がり続けています。
日本では総世帯数は増加傾向にありますが、増えているのは
単身世帯がほとんど。
30年間で実に約1,000万世帯も増加しています。
ただ2人以上の世帯数は1割程度の増加。
なのに、消費支出は下がっているのです。
この25年間で15%程度の消費支出額が減っている。
通信費は増加しているが、トータルの消費支出額は減っているのが特徴。
交際費が減り、ひとりでも時間をつぶせるようになったのが要因なの
かもしれません。
今後も減少傾向は続きそうです。
まとめ
30年間を個人的に振り返ると「経済状況」の動きに翻弄されたことに
あらためて気付かされます。
就職活動時の「不況」。
さらにリーマン・ショックという「不況」。
30年の間でタイミングよく「不況」に衝突したというのが実感。
そのため大きく成長できたのも事実。
何が幸いするかはわかりません。
労働環境は人口の状況の影響を受け人手不足と高齢者就業という
変化を遂げています。
今後も「働き方改革」が浸透していくことになるでしょう。
経営も「マイナス状況」によって磨かれて成長することもあります。
そうなるべきです。
そこに気付かされる30年間の振り返りだと感じます。
【出典】
「統計が語る平成のあゆみ」(総務省)https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topi119.pdf