「それは、ちゃんと伝えてます」
『ええ、わかっています。ただ、何回伝えましたか?』
「えっ・・・1回ですが」
『ほんとうに伝わってますか?』
こんな確認を経営の現場ではリーダーの方と
何度もやりとりしています。
リーダーは、ある意味、伝達の力が試されます。
公式であらわすと
【伝達結果】=【影響力】×【伝える力】×【伝える回数】
になります。
【伝える力】とは、
表現力、わかりやすい説明力、わかりやすい順番などの
「伝達能力」を指しています。
スキル、技術と呼ばれる領域です。
【影響力】とは、相手への影響力のこと。
相手との関係性によって大きく変化する部分です。
たとえば、伝えたい内容を100とします。
(伝える力は変化なしで考えます)
1)相手との関係が師弟関係(こちらが師匠)の場合、
【影響力】100×【伝える回数】1回=100
であらわすことができます。
ようするに、こちらが尊敬されていれば、1回で
伝わるわけです。
しかし、
2)相手との関係がフラットな関係ですと
【影響力】1×【伝える回数】100回=100
となり、100回伝えてようやく伝わる世界。
数回伝えただけでは、ほとんど伝わっていない
わけです。
10回、20回伝えても2割程度しか伝わら
ない現実がここにあります。
課長、部長、所長、など役職がついたリーダーの
方々には、自分自身の【影響力】を冷静に理解して
もらいたい。
役職がついているから、
伝えることができる
理解させられる
わけではありません。
あくまでも相手が判断する【影響力】部分が
大事であり、大きな変数なのです。