製造業の今後の流れ。
この20年間、縮小してきたと
言われる製造業。
統計データをみれば輸出高は
増え続け、貿易黒字を継続して
稼ぎ出していました。
減っていたのは国内の消費だけ
なのです。
原因は人口減。とくに、消費を
する世代が減少しているのです。
ただ、減少が年々わずかなので
わかりにくい。
大きく減ることがないので、
感覚として認知しにくいのです。
ここへ来て、大きなことが続き
ました。
リーマンショックと東日本大震災。
これにより、動きが加速。
痛みをともなう現象にまで発展
しています。
キーワードを下記にまとめます。
1)ルートの崩壊
受注ルート、発注ルート、調達
ルートなど、固定されていたルートが
簡単に崩れました。
長い付き合いだから、といった
つながりが消滅。
あくまでも評価できるポイントが
あるか、ないかによって決められる
世界に突入しています。
2)分散化
リスク管理に重きを置く経営に
変化することが必然に。
そこには、ルートを分散化させる
ことに注力を置かれています。
金融の世界ではポートフォリオと
呼ばれ分散投資するのが当たり前
ですが、製造業においてもこの概念が
定着することになります。
3)専用品から汎用品へ
差別化するためには、専用品を
つくることが求められていました。
しかし、その流れがリスクを高めて
しまったのです。
世の中はオープンソース化に向かっ
ています。
汎用品へものづくりをする方向に
設計思想が変化しています。
汎用品であれば、コスト削減も
可能になり、どこででも製造可能に
なります。
では、上記のキーワードをふまえて
今後を考えると、勝ち残るキーワー
ドは、
【構築力で勝つ】
ことです。
どうしても日本人の気質は、部品
などの1点に集中して技術を磨き
発明、開発してきました。
最先端の商品には必ず日本製の
部品が使われているのです。
しかし、部品の集まりである製品と
なると、なぜか日本製が最先端に
出てこない。
この現象をいつも不思議だと感じて
いました。
そこに追加するのが「構築力」。
ここに活路があります。
今までより、請け負う範囲を
広げること。
物理的にではなく、顧客からの
要望を受けて、一緒になって
考えてあげること。
「うちでは、できません」
と言った時に発展の可能性は
減少しているのです。
商品であろうが、サービスで
あろうがパーツの寄せ集めにしか
すぎません。
ましてや、世の中のアイデアは
組み合わせでしかないのです。
組み合わせのパターンを増やし、
組み合わせの数を増やし、
構築力を高めていくこと。
これがいま優先されることなのです。