先月のことでした。
飛行機に乗り込むと私はすぐ音楽を
聞き始めます。
カナル式のイヤホンが耳栓の役目を果たしています。
音が苦痛だからです。
15分くらい経ったでしょうか。
「なかなか出発しないな」
と感じました。
ふと横を見ると、通路を挟んだところで
CAと話し込んでいる方が目に入りました。
どうも、怒っているようです。
「・・・理不尽じゃないか・・・」
とイヤホンをはずすと会話が聞こえてきました。
なにか、気持ちがおさまらないようです。
その後、地上職員の男性の方が来て説明、
また、CAの方が何度も来て、説明。
時間は、出発時刻を30分過ぎました。
私が機内に乗り込んでから45分間。
「・・・他のお客様にも迷惑がかかっているじゃないか・・・」
とも聞こえてきます。
そして、ようやく出発。
機内にはおおよそ200人。
30分遅れたと換算すると計100時間。
世の中にとって大きな損失です。
振り返ってみると
理不尽なことをされて怒っている人→待たされている200人
という理不尽の連鎖なのです。
部分的に見れば、正しい主張をしていますし
怒るのも理由があるのでしょう。
しかし、その正しい主張によって、関係のない人たちが
さらに理不尽な状況に陥ったのです。
中には急いでいる方もいたかもしれません。
こうした状況を経験することによって
個人的な怒りで正しさを主張する危うさを感じました。