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〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜fjコンサルタンツ藤原毅芳

すべて断りました

「年末年始に大口の注文がこの商品に

入ったのですがすべて断りました」

 

「大口の注文を受けると在庫がすべて

なくなってしまうからです」

 

「大口の注文はありがたいですし、売り上げも

あがるので受けたい気持ちもありました」

 

しかし、断る決断をしたのです

 

この決断、どう感じますか?

正しい?正しくない?

 

どちらともいえません。

状況、環境によって決断が変化します。

その条件を探してみたいと思います。

 

ファン顧客を断りたくない

この会社のこの商品には「ファン顧客」が

ついていました。

 

毎月定期的に長期的に購入していただける

顧客のことです。

長年の大切な顧客なので、この商品が

品切れになると「ファン顧客」を失う

ことになります。

 

今回は大口の注文よりファン顧客を優先

させたということ。

 

目先の売り上げより、長期的な売り上げを

優先したのです。

 

大口顧客は一時的、ファン顧客はリピート

今回の大口の顧客は今までの付き合いも

薄く、今後のリピート受注も見込みが

薄かったことも断った原因のひとつです。

 

一時的な大口注文だと判断したのです。

ここ決断するには勇気がいるところです。

 

大きな売り上げを捨てることになるからです。

リピートから利益が生まれる

ただ、利益の源泉を考えてみると

この決断は理解ができます。

 

どこから利益が生まれるのか、という

視点です。

 

大口の注文は必ずといっていいほど

値引きを要求されます。

 

そのため粗利率が低くなる傾向にあります。

その一方でリピート顧客から得られる

粗利率は安定しています。

 

売上額は低いですが経営には欠かせない

利益の源泉になるのです。

固定費をリピートビジネスでまかなう

ただ損益分岐点を超えていない状況で

あったり、目標を下回ることが続くと

こうした目先の大口注文が魅力的

見えてしまいます。

 

こんな時は判断の精度が落ちていきます

冷静な判断ができなくなるケースです。

 

そんな状況にならないためにも、次の

ようなアドバイスをすることがあります。

 

会社の固定費をリピートビジネスから

まかなうように設計する、ということ。

 

経営を安定させるための土台を構築してから

次のステージにチャレンジするプロセスです。

 

2019年、2020年を考えるとこうした選択に

意味が出てくると思います。

まとめ

一時的な大口注文を断る可能性の高い

シチュエーションをまとめると

 

・商品に限りがある、欠品しては

いけないリピート顧客用商品

 

サービスレベルを保つのに受注量を

コントロールする必要があるビジネス

 

・品質を保つために仕事量を調整する

必要がある職種

 

となります。

ファン顧客の離脱を防ぐためにも、

こうした状況に置かれた時は、究極の

決断が求められるのです。

 

大口の受注もこなしながら、ファン顧客を

満足させられるようにすればベストですが

リスクがともなう決断となります。

 

リスクを取れる状況には決断しても問題

ありませんが、1年後2年後に不景気が

予想される時は慎重に判断したいと思います。