fjコンサルタンツ 経営情報Blog

〜隠れた事実を見抜き、現場を変え、経営の壁を超える。経営者の思考法 経営の展開図を公開〜

なぜ社長は「経営者視点を持て」と言いたがるのか

【fjconsultants365日Blog:3,749投稿目】fjコンサルタンツ藤原毅芳

経営者視点を持たせるのは有効か

「経営者の視点を持って仕事に取り組んでもらいたい」
と朝礼の場で語った社長。

それを聞いたスタッフたちは、社長の意図が伝わったのだろうか。
受け止めたのでしょうか。

そこにズレがあるように感じるのは私だけでしょうか。


そう、
ズレがないわけではありません。
やはりコミュニケーションのズレが生じているのです。

社長が伝えたかったこと、聞いていたスタッフの受け取り方をそれぞれの視点から考えてみたいと思います。

経営者視点を持て、の意味とは

経営者視点の内容を具体的に考えていきます。というのは、経営者視点とは経営者を実際に経験しなければわからない点もあるからです。

経営する経験も軽い経験、重い経験と内容には差があるのは確かですが、次の内容で経営者視点を探ってみたいと思います。

  • ①全責任を持つ
  • ②自主性で仕事する
  • ③金銭的リスクを背負う

経営者視点①全責任を持つ

「全責任を持って仕事に取り組んでもらいたい」
と考えていること。

経営者は会社の結果について100%の責任を取っています。
それと同じことを期待しているのです。

100%は無理にしろ、80%くらいの責任を取るつもりで仕事をしてほしいと考えている社長もいると思います。

ようするに、今より責任感を持って仕事してほしいという希望がそこに隠れています。

「責任感は教育できない」という説があり教育する側でも課題のひとつです。
大人になってから責任感を醸成できないとも言われている分野です。

そのため社長の希望が大きくなる点でもあるのです。

経営者視点②自主性で仕事する

「何も指示されない状態でも自主的に動いてほしい」
「自分で判断して動いてほしい」
とここでは考えています。

社長が指示したり、判断したりせずに決断して自分から行動してほしいという内容です。
社長自身ができていることをそのまま求めていることもあります。
自分の分身がほしい、という願望が裏側にあることもあります。

ただ注意が必要で、社長の考えに沿った形で自主的に判断してほしいということ。

自主的な判断と勝手な判断は違うということです。
なので、自主的に動けるようになってもズレが生じることがあるのです。

2重の困難さがここにはあると感じます。

経営者視点③金銭的リスクを背負う

金銭的なリスクを背負うことを求めていることもあります。
いわゆる新規事業、新規商品、新規出展、新規支店を進める時に金銭的なリスクまで背負わせたいと考えています。

その方が、責任を感じて利益を出してくれるのではないか、と感じるからです。

確かに、そのような会社はあります。支店開設後に利益がでなければリーダーの給与が減っていくシステムになっているのです。
ただ、ここまで金銭的リスクを背負わせると、今度はリーダーをやる人がいなくなる可能性もあります。
最近は金銭的なものを追いかけて仕事をしている人の割合が減っています。

そのため金銭的なリスクを背負わせるのも困難な状況がこれからも続くのではないかと考えています。

スタッフは経営者視点を持てるのだろうか

実際にスタッフが経営者視点を持てるのか?という疑問があります。

リーダーも同様です。
リーダーは経営者視点が持てるようになるのか?ということも考えなければなりません。

限界はあると考えている

結論からいえば、スタッフでもリーダーでも経営者視点を持つことには限界があります。

ますは、立ち位置が「経営者」ではないから。
経営者と従業員では立場が違うだけでなく、法的にもまったく違う存在です。

その点から考えても、求めることに違いが生じるのは当たり前で、経営者視点を理解できる範囲も限られるのは自然の成り行きなのです。
なので、私は経営者視点を持つことには限界があると常に考えています。

経営者視点を持たせるにはどうすればいいのか

結局のところ、100%の経営者視点をもってほしいと考えるならば経営者にするしかありません。
いわゆる子会社、グループ会社の社長をしてもらうしかないと考えています。

ただ、リーダーやスタッフに責任を持って自主的に仕事をしてほしいのであれば「経営者視点」という言葉を使わず伝えたほうがスンナリ受け止めてもらえると思います。

経営者視点という言い方ではなく

では経営者視点という言葉を使わずに伝えるにはどうしたらいいのでしょうか。
単純に「経営者」という言葉を使わないという手法があります。

経営者という言葉をつかった時に受け取り側は「経営者ではないし」と瞬間的に拒絶反応を示すからです。

責任感を持って、自主的に動いてほしい、ということを伝えたいのであれば「経営者のように」ではなく、「◯◯さんのように」と具体的な事例で伝えた方が染み渡るように伝わるということです。

理解する前に拒絶されたらコミュニケーションは成立しません。
ズレを生じさせないためにもこうした言葉を選ぶ配慮が大切だと考えています。

藤原毅芳写真
この投稿記事を書いたのは経営コンサルタント  藤原毅芳 fujiwara takeyoshi (fjconsultants)
1971年生まれ 鎌倉市在住 fjコンサルタンツ代表 一般社団法人暮らし振興支援機構理事 単著8冊、監修1冊、海外翻訳出版1冊、講師として宣伝会議の『マーケターのためのPDCA実践講座』などで継続的高評価を受けている。2021年大手都市銀行シンクタンクの法人会員限定雑誌に『売れる仕組み〜マーケティングの基本』を執筆。『この世に残るべき企業を支援する』を軸とした考えで経営の現場で課題をスピード解決し企業を発展させている。公式Webサイトhttps://www.fujiwaratakeyoshi.jp/