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〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜fjコンサルタンツ藤原毅芳
流行りがなくなった
流行り(トレンド)が消滅したのではないか、
という論調が出てきました。
流行りは分析されてきた分野で何かしらの結果を
導いてきたのですがここにきて流行りがなくなったと
いう結論に至ったようです。
どうしてそのようなことになっているのか。
事象を私なりに解説したいと思います。
意図通りにならないトレンド
流行りというのは、
「一時的に(急に)ひろがること、ふえること」
とされています。
毎年、急に売れだす商品・サービスが流行りとされてきました。
今年のトレンドランキングが発表されているので見る人も多い
ことでしょう。
急に売れる商品・サービスは今もありますし、今後もなくなる
ことはありません。
ただ、業界が仕掛けてきた流行り(トレンド)が意図通りに
ならなくなったという事実が「流行り(トレンド)消滅」という
説につながっていると思います。
業界ごとにある程度、オピニオンリーダー的な存在の企業があり
次のトレンドを決めていたのです。
今年は「これが流行る」を発表し、メディアが追随し消費者が
そこに乗っかる構造。
この構造が崩れつつあるのが現状だと感じます。
古い新しいが関係ない
「新しい商品」が売れるという構造もすべてが当たらなく
なりつつあります。
古い商品が突然売れだすこともあるからです。
発売から10年近く経って、いきなり売れだしたガマ口バッグの
アネロ(anello)は事例のひとつです。http://anello.jp/
新発売の中からヒットが出ているわけではない状況。
これが流行り(トレンド)を予想できにくくしています。
ようするに新しい古いが関係なく売れだす現象が説明できない
のです。
新しくても売れない
本当にビジネスがやりにくくなっていると感じるのは
新しい商品が思ったほど売れないことです。
「新しさ」は魅力です。
今でも魅力はありますが、その力が半減している業界も
あるということです。
おそろしいのは、毎年の新作が売れていた商品がいきなり
売れなくなってしまう可能性もあるということです。
毎年のように新作を出す業界では、新作が売れなければ
ビジネスが成り立たない構造になっていました。
新しい商品が売れなければその新作依存の構造が崩壊して
しまいます。
リバイバルではなく目新しさで受け入れられる
30年前、40年前の商品が売れることをリバイバルと
呼んでいます。
懐かしい、と感じて売れることだと定義されてきました。
しかし、現在30年前の商品が売れているのは懐かしさ
だからでしょうか。
というのは、当時を知らない若い世代に30年前の商品が
売れているという現象があるのです。
30年前、40年前の商品を知らない世代にとっては
懐かしさを感じることはありません。
なのでリバイバルではないのです。
単なる「新商品」の範疇で受け止められているのです。
昭和テイストの商品が「新しさ」「斬新」「デザインいい」と
感じ購入しているのです。
年代問わず受け入れられる
対象顧客層を絞って商品を出していく、販売することは
公式のように考えられています。(ターゲティング)
ただ、それも当たる確度が下がっています。
この年代を狙ってつくり売り出したのに年代を問わず
売れてしまったという商品が出現しているからです。
親子間で購入した商品を使い回すのも最近の特徴です。
洋服に限らずモノを世代をまたいで共有するのが目立ちます。
そうした感覚が年代を問わず売れる商品へ導いたとも
いえます。
たとえば、冬の洋服の定番になった「ダウンジャケット」。
これは親子間、性別問わず共有されるアイテムのひとつです。
どの年代でも使える、ということがどの年代にも受け入れられ
売れていくという現象になっているのです。
まとめ
業界のオピニオンリーダー不在、流行り(トレンド)消滅を
転換期とみるかどうか。チャンスと見るのか。
日本は歴史ある会社が多いので実はチャンス。
この流れはチャンスでしかありません。
新作を毎年出すことができる企業しか売上を独占できない
状況が崩れていくということは、それ以外の企業にとっては
チャンスになるからです。
古い商品だから売れない、という固定概念も不要になります。
古い商品だから「新しく感じる商品」へと変身できる時期に
来ているのです。
ここに気がつくと経営も飛躍するのではないでしょうか。
今日はその点を提案したいと思います。
「古い商品だからこそ売れる」と思えるかどうか。
面白くなりそうです。