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〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜fjコンサルタンツ藤原毅芳

◯◯テックの乱立

テクノロジー(Technology)との組み合わせで新しい
ビジネスモデルが様々な業界で出てきています。

たとえば、金融業界では、
【金融(Finance) + 技術(Technology) => フィンテック(FinTech)】
という言葉が出てきました。

教育の業界では
【教育(Education) + 技術(Technology) => エドテック(EdTech)】
になります。

他にも農業では「アグリテック(AgriTech)」という言葉が出初めています。

技術による飛躍の期待をこめてこうした言葉が生み出されています。
技術の掛け合わせによってどのように変化し、成長するのでしょうか。
また、その変化に既存企業は追随できるのでしょうか。

その点を不動産業界をとりあげて考察したいと思います。

町並み

不動産テック(RET)とは

不動産の業界で話題になっているのが不動産テック(Real Estate Tech)。
不動産テックとは、不動産とテクノロジーを掛け合わせた言葉。
テクノロジーによって不動産業界の商習慣を変えてしまおう、という動きです。

なぜそれほどまでに不動産テックが注目されているのか。
不動産業界以外からも注目を集めています。なぜなのか?

それは、日本の不動産業界は特有な壁があること、もうひとつは
生産性が低いことです。

他国から見ても日本の不動産業界は「不透明」に見えています。
参入するのが難しい、ハードルが高い、という障壁がまだ存在
しているのが特徴です。

これは不動産取引を正しく行うための取り決めが数多くあり
それがかえってハードルを高くしてしまったという現状です。

たとえば不動産の契約行為は対面でしか行うことができません。
こうした制約が生産性を下げている要因でもあります。

こうした不透明さや制約を取り除くテクノロジーに期待が集まって
いるのです。

不動産テック事例

現在の不動産テックは根本的な解決というよりは、既存の商習慣を
デジタル化によってスムーズかつ時短できる仕組みなのが多いと
感じています。

内覧はネットで

実際に不動産の物件を見に行く行為をネット上で完結する
ビジネスが広がっています。

これはもともとあったアイデアですが、ようやく実現可能な
技術レベル、コストになってきたということ。

ネットで内覧できれば理想の物件を探し出すことも可能になり
時間的制約で、消去法で物件を決めていたことがウソのように
感じます。

バーチャルリアリティVRが広がれば、さらに精度が高くなる
分野です。

契約書は紙ではなくデジタルで

契約書は対面で紙ベースで行われています。署名捺印してはじめて
契約が成立します。

これをデジタル化するサービスも出始めました。この流れは不動産
業界に限らず世の中の契約書はデジタル化する方向へと流れています。

契約という行為はあくまで契約内容が保存されることが目的なので
それがアナログだろうがデジタルであろうが関係ありません。

そこにようやく気がついた形になります。デジタル化してしまえば
保管スペースも不要になります。

こうしたサービスの普及は不動産業界の商習慣を大きく変えていく
ひとつだと感じます。

町並み

行きつくところはココ

最終的にはどのような形に不動産会社はなるのでしょうか。
私はすべてネット上で完結する形に落ち着くと予想しています。

特に賃貸に関しては今でもネット上で契約完了まで終わっても
いいのではないかと考えています。

それが許可されるなら、不動産会社は店舗を設置する必要もなく
全国どこでもオフィスだけあればいい、ということになります。

実際に海外ではこのような会社の事例があります。
不動産会社なのにお客様が来店する店舗がないバーチャルな企業が
あるのです。

たとえば eXp Realty社(https://www.exprealty.com/)は
店舗もなければオフィスもありません。社員スタッフは、リモート
ワークで働いています。出社することもないのです。

それに比べればまだ日本の不動産テックは始まったばかり。
今後の飛躍は大きいものだと予想できます。

そこに投資が集まるのも必然。
楽しみな企業もこれから出てくるでしょう。
期待の大きな市場です。