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マーケティングのポジションが消滅したら顧客も消滅した

【fjconsultants365日Blog:3,802投稿目】
~1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

マーケのポジションはおもしろい

マーケティングのポジションはわかりやすい概念なので
多用しています。
ビジネスはポジション争いと思ってまちがいない。

「あのお店の○○、美味しいよね」
という地域一番の商品は他にとってかわることがありません。
サービスを探すときも思い浮かんだ2〜3個の中からしか
選ばないものです。
その2〜3個の中に入れるかどうかがカギなのです。

ではどうやってポジションを形成していくのか。
事例をもとに考えていきたいと思います。

定規

マーケのポジションとは

ポジション(position)とは「位置」という意味。
マーケティングにおいてポジションを構築することをポジショニングと
言っています。

たとえば値段と品質という軸で考えると

  • 価格:高 & 品質:高
  • 価格:高 & 品質:低
  • 価格:低 & 品質:高
  • 価格:低 & 品質:低

の4つのポジションに大きくは分けられます。
まずはこの4つのポジションに分けられますが、そのすき間にも
ポジションが存在しており、ポジションのことを考えるときは
宝探しのような作業になります。

ポジションを見つける

マーケのポジションは

  • 見つける
  • つくる

の2つに分かれます。
見つける場合は、存在しているいくつかのポジションの中から
見つけていくことになります。

つくる場合は、もともと存在しないポジションを新たにつくる作業。

ポジションを見つける作業は、まず現在存在しているポジションを
把握します。
その中から求めているポジションに近いものを探す。
ピッタリのものがあればそのポジションを狙う。
なければすき間を狙う。
もし誰もそのポジションにいなければ全力でその位置を取りに行くこと。
それだけです。

オセロ

ポジションをつくる

ポジションが今までにないジャンルの場合はジャンルをつくり
ポジションを新設することになります。
この場合、ポジション自体が定まっていないことがほとんど。
手探りでポジションをつくることになります。

たとえば電子マネー。
今までにないジャンルができ、そこに新たなポジションが新設されています。
最近では新規参入が相次ぎポジションが見えにくくなっていますが
1年後には淘汰、統合されて安定的なポジションが形成されるでしょう。

このジャンルもスマホ連動がポイントとなっており、スマホ連動が
ない電子マネーは淘汰されると予測しています。
ポジション消滅ということ。
ポジションはつくることもできるが、なくなることもあるということです。

事例)ハワイ路線

ANA広告
ANA広告

ANA(全日本空輸株式会社)は今月から2階建て大型旅客機エアバスA380
を投入しました。
今後、A380を3機まで導入する予定。
コレ、ドル箱だったJAL(日本航空株式会社)にとってはシェアを
奪われる可能性が出てきたということ。
ANAがどのポジションで競争していくのかが注目されています。

当然ですが大型旅客機なので席数が多い。
エコノミー席は格安で大盤振る舞いするのではないかと予想されて
います。

一気にシェアを確保する戦略。
ハワイ路線といえばANAと言われるポジションを構築するつもり
だと思います。
マーケティングでは「コストリーダーシップ」という競争戦略の
言葉がありますが、まさしく今回は安値で顧客を集める戦略を
選択すると思われます。

ただ危険なのは安価なポジションを築いてしまう可能性があること。
シェアを広げることに成功した後に、いかに安価なポジションから
路線変更できるのかがカギになります。

そこまで先のことを考えてマーケティングを組んでいくことが
重要な戦略になるでしょう。

飛行機

振り返れば

航空会社のポジショニングは振り返ると激戦区であることが
わかります。
ANAとJALしかなかったところにスカイマークという新星が
あらわれた時があります。
しかも価格は安い(半額程度)。
最安値を更新した航空会社として認識されました。
そのポジションを獲得したのです。
当時スカイマークを起ち上げたのはHISの創業者。
格安ツアー会社がつくうた航空会社だったのです。

これが時間の経過とともにポジションが変化しました。
LCC(ローコストキャリア)が出てきたのです。
スカイマークより安い価格帯のポジションができてしまった。
そのためスカイマークは中間のポジションに場所が変わって
しまった。
その後は、打ち出す戦略が失敗。
最後は倒産(民事再生)。
現在はANAグループの一員になっています。

これもポジションの変化により調子がわるくなった事例。
最安値というポジションを手離した瞬間に移動後のポジションには
顧客が来なかったということ。
有効なポジションは数多くあるわけではない。
そんなことを実感させる事例です。

まとめ

ポジションの変化に敏感に感じること。
これが経営では生命線になります。
自分たちのポジションが他社の動きによって移動させられていることが
あるからです。
その瞬間に顧客は減少。
魅力のない企業の仲間入りすることに。
顧客から見て魅力のない商品サービスを提供しているというポジションに
落ち着いてしまうのです。
そんなことを防ぐためにもポジションを確認する作業が定期的に
行われる必要があります。
顧客はポジションの変化を感じますが、提供している企業の方が
鈍感になっていることがあるからです。
ルーチーンの定点観測事項のひとつにしたいところです。

藤原毅芳写真
この投稿記事を書いたのは経営コンサルタント  藤原毅芳 fujiwara takeyoshi (fjconsultants)
1971年生まれ 鎌倉市在住 fjコンサルタンツ代表 一般社団法人暮らし振興支援機構理事 単著8冊、監修1冊、海外翻訳出版1冊、講師として宣伝会議の『マーケターのためのPDCA実践講座』などで継続的高評価を受けている。2021年大手都市銀行シンクタンクの法人会員限定雑誌に『売れる仕組み〜マーケティングの基本』を執筆。『この世に残るべき企業を支援する』を軸とした考えで経営の現場で課題をスピード解決し企業を発展させている。