【fjconsultants365日Blog:3,837投稿目】~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

マーケティングは流動的

マーケティングは常にアップデートされる。
更新されていく。
現在の成功パターンもすでに過去かもしれない。
そう考えるマーケッターも多い。

ヒトの気持ち、感じ方、決断、決定はあるときを境界に
急にかわることがあるからだ。

世の中で大きなできごとが発生したら一瞬で変わると
言っても言い過ぎではない。

では、現在はどのような変化が進んでいるのだろうか。
インパクトのあることはまだ発生していないがゆるやかに
変化しているポイントを探っていきたい。

定規

メーカーは新品しか販売しない・・・わけではない

製造メーカーは新品の販売しかしないことが普通だった。
下取りはするが、下取りした商品をまた販売することは少なく
廃棄している業界も見たことがあります。

しかしその流れ変わりつつあります。
新品を販売している製造メーカーが下取りした中古品を
正規中古として販売しています。

たとえば、
ノートパソコン、スマートフォンでは普通のこととなっています。
初期不良等の返品製品を整備し直した後に販売している

Apple 認定整備済製品

https://www.apple.com/jp/shop/refurbished

が有名。
ここでMacBookを購入したことがあり、使用していたときの故障は
ありませんでした。
(ただ正規品の箱はなかったです)

スマホに関しては中古市場が伸びているのでサムスンなどのメーカーが
自社で中古品販売に乗り出しています。

macbook

アパレル事例

アパレルメーカーでも同じような動きがあります。
中古がオークションやフリマで売買されるぐらいなら、自社で
中古買取し販売をしてしまおう、という動きです。

H&Mが2019年4月より地元スウェーデンでスタートアップ企業と
協業して自社製品の中古を買い取り(回収)し再販をはじめています。
https://www.wwdjapan.com/articles/845758

とくにブランド価値を高めたいアパレルメーカーでは中古で
安価に商品が流れるのを嫌います。
また、中古市場が今後拡大する予測があるので、拡大市場のシェアを
高めておきたいという意図が見えてきます。

書籍は中古販売店を買収

書籍に限っては、中古販売会社(ブックオフ)の株主を見ると
よく理解できます。

ブックオフ大株主状況
ブックオフ大株主状況(2019年3月有価証券報告書より)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9278/yuho_pdf/S100G3A6/00.pdf

大株主の中に
・大日本印刷
・丸善
・講談社
・集英社
・小学館
といった出版社、書籍販売、印刷の会社が株主になっています。

これも新品商品だけでなく、中古流通まで手を広げているのが
理解できる現象です。

書籍

中古品を扱う理由・意図

中古品をメーカーが手がけるには意図がいくつかあります。
・中古の粗悪品が流通するのを防ぐ(レモン市場撲滅)
だけでなく、中古品の流通価格を安定させることも
目的のひとつです。

中古品の流通価格が安定し、ある程度の高値で安定すると
新品の販売も伸びることがあります。
新品購入後の値崩れがないことが確認できるとユーザーは
安心して新品を購入することができるからです。

とくに高額商品でこの傾向があります。
自動車は事例としてわかりやすい。
ドイツのBMW社が日本で認定中古車をはじめたのは中古車の
価格を安定させるためです。
そのため新車販売も伸びていったのです。

最近のマツダ車も下取り価格が以前より高い傾向にあるため
他メーカーユーザーからの乗換えも増えていると言われています。
もし下取りが安ければ、マツダ車からの乗換えが限定されてしまい
次もマツダ車しか乗ることができないというサイクルに陥って
しまう。
その状況を今は打破しつつあるということ。
今後も注目です。

まとめ

モノ余りの時代、消費者であるユーザーは
①所有
②売却
を繰り返しています。

これは本来の所有と言えるのでしょうか。
いったん所有はしていますが売却することでリサイクルしています。

ヒトはわがままなので、いったん所有した後に
・持ち続ける
・売却する
を気ままに決めていきたい。
そう考えているのです。

そうなると、売却の選択肢はこれからまだ増えていくと予想されて
います。
売却の方法がさらに簡略化されれば一気に市場が拡大する可能性だけは
秘めています。

製造メーカーも中古販売に乗り出してくるでしょう。
どの業界もそうなっていくと感じます。