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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
経済的損失になるのか
約5年間かけて行われた橋梁・トンネルなどの点検。
その結果がまとめられており、公開されました。
https://www.mlit.go.jp/common/001302572.pdf
内容ですが、思っていたよりヒドいと感じます。
老朽化が進んでいますし修繕が必要な橋梁・トンネルが
多いということ。
しかも修繕が必要な橋梁やトンネルが半数以上残っている。
そんな現状が見えてきました。
ようするに、近い将来、橋やトンネルが使えない状況が
来るかもしれないのです。
これ、遠回りに経済にも影響が出ます。
というのも、橋やトンネルは近道のためのツール。
使えなくなれば遠回りをすることになり、時間的損失が
出てくるからです。
実際の状況を具体的に見ていきましょう。
橋梁等:点検結果(国土交通省)
判定状況
まずは判定結果から。
機能に支障が生じているのは区分Ⅲ、区分Ⅳ。
特に区分Ⅳは「緊急」で措置を講ずべき状態です。
区分Ⅲ、区分Ⅳ合計の割合は
- 橋梁:10.1%(72,363/716,466)
- トンネル:42%(4,470/10,645)
- 道路付属物等:15.1%(5,991/39,678)
となっています。(下記図参照)
トンネルは全体の4割で機能に支障が出ているのは想像以上の現実。
実数では4,470のトンネルで機能に支障が出ており、その中で
100箇所は緊急の措置が必要ということになります。
橋梁は割合で見ると低いですが母数が多いので実数を見てみると
橋梁の機能に支障が出ているのが、72,363箇所。
緊急の措置が必要なのは700箇所となります。
実数ではトンネルより数が多くなります。
現在、使用不可能になっている橋梁がニュースで出ていたことが
あります。
修繕ができない場合は使用できなくなるだけです。
措置状況はどの程度まで進んでいるのか
判定区分がⅢ、Ⅳの橋梁やトンネルの修繕はどこまで
進んでいるのでしょうか。
まずは橋梁の修繕措置。
修繕がすべて完了しているのは、修繕が必要な橋梁の中で
12%しか終わっていません。
修繕を着手しているのが、10%なので、修繕着手済みを
含めても全体の中で22%しかない状態。
修繕が必要な橋梁のうち、78%は未着手であり何も手が
つけられていないのです。
ようやく点検が全て終わった、という段階なのでしょう。
トンネルの措置状況は
次はトンネルの修繕措置。
修繕が完了しているのが全体の22%。
修繕に手をつけているのが14%あるので修繕に着手済みを
含めると全体の36%となっています。
全体の36%が修繕の着手されておりますが、64%は手が
つけられていません。
修繕着手&完了4:6修繕未着手
という割合になります。
まとめ
こうして数値で実態を見ると修繕が必要な橋梁、トンネルの
半数以上が手をつけられていないことがわかります。
数字で見せつけられると不安を感じることがあるのでは
ないでしょうか。
これだけ修繕が必要な箇所が多いのは戦後、特定の時期に
一気に橋梁、トンネルが設置されたからです。
それが一度に老朽化を迎えるということ。
問題なのは地方公共団体が修繕しなければならない橋梁、
トンネルがまだ24%しか修繕が着手されていないことです。
3/4の修繕が必要な橋梁、トンネルは未着手であり
今後は修繕の予算が取れるかどうかにかかっています。
もしくは交付金を待ちながら対応していく地方公共団体も
多いのではないでしょうか。
まだ課題は解決しそうになく道のりは長いようです。