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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
小さくても勝てる、大きいから負ける
予定調和が崩れるときがあります。
企業は大きいほど勝負には強いと言われています。
しかし、永遠にそうではありません。
方向転換する時期、ビジネスの変革期には規模が大きいほど
負ける可能性が大きくなるときがあるのです。
それはどのような時期なのでしょうか。
何が発生すると大企業でも負ける可能性があるのかを
考えてみたいと思います。
トヨタ自動車3割、ホンダ4割
上記の3割、4割とは何の数字かわかりますか。
これは採用における中途採用の割合。
新卒一辺倒だった自動車メーカーが中途採用の割合を
急増させています。
トヨタ自動車は中長期的には中途採用を5割まで増加
させるようです。
なぜでしょうか。
自動車は今後、クルマをつくって販売するだけでは
生き残ることが難しくなっています。
技術が入れ替わる時期に来たからです。
今までの技術者とこれから求められる技術者の内容が
大きく変わってしまったのです。
そのため、社内育成では間に合わない。
技術の分野が大きく離れているから社内では無理だと
判断しているのです。
現在、自動車メーカーが求めている人財は
・画像認識
・人工知能
の専門家です。
こうした現象を見ると規模が大きくても変化には
スピード対応できないことがあることに気付かされます。
それにしても今年になってから「終身雇用は維持できない」と
自動車メーカーのトップが宣言したりしている時期に
中途の割合を増加させているのを見ると大幅な経営の方向転換が
行われているのを感じます。
小さくても勝てる
新技術、新分野で新規市場ができあがるときは、
【小さくても勝てる】マーケットです。
既存ビジネスを崩壊させるような新市場の場合は
【小さいから勝てる】マーケットでもあります。
その点を誤解していたり、気が付かない人もいる
かもしれません。
そう、これからの時代は小さいから勝てる市場が
続々とできてくる時期でもあるのです。
そこに気がついているかどうか。
大きなポイントです。
小さくても勝てる、大きくても負けるの原点
スポーツの世界で体格差を問わない競技があります。
それは国技である相撲。
相撲は小が大を制することもあるのが醍醐味です。
体格が小さくても勝てる場合もありますし、体格が大きくても
負けてしまうことがあるのです。
企業経営は相撲と同じ。
体格である規模によって経営する場所が違うといった
ことはない。
すべて同じ土俵で競い合っているのです。
相撲で小が大を制するときは、
・タイミングをずらしたり
・技を繰り出したり
することで勝っていきます。
いわゆる戦略で攻略しているといっていいでしょう。
まともにぶつかりあって勝てる相手ではないからです。
奇襲戦であったり、予想外の技をかけたりしながら
勝ちをつかみとるのです。
まとめ
経営でも小が大を制するには戦略である技を繰り出し
続けることです。
ゲリラ的な戦略を選択することもあるでしょうし、または
正攻法に見えるがそうでない奇襲作戦を考えるときも
あるでしょう。
また、大企業の弱点を見つけて、そこだけを徹底的に
攻めていく手法もあります。
このように小が大を制するには理由があり、根拠があります。
ということは、経営は根拠をつくる作業だと言い換えることも
できるでしょう。
これからの時代を楽しむためにも根拠をつくっていきたいところです。