【fjconsultants365日Blog:3,992投稿目】
~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
広告が増えている・・・
自動車メーカーの広告が増えています。
しかも、トップである社長がメッセージを発しています。
何か組織内で異変が起こっているのでしょうか。
動揺があるのでしょうか。
そんな気がします。
大企業の社長がメディアに出るときには社内を落ち着かせる
目的のときがあります。
ある飲食業がブラック企業と騒がれたときも同様でした。
トップである社長がメディアに頻繁に出ていたのです。
トヨタイムズ
トヨタ自動車が今年から新設したメディア
「トヨタイムズ」
があります。
最初
「トヨタイズム」
と読み間違えてしまいました。
そうした意図があるのではないかと思います。
このメディア、トヨタ自動車が大手新聞社から人材を
ヘッドハンティングしてスタートしたオウンドメディア。
目的は
トヨタに関わる全ての方に、トヨタのインターナル(内側)をお見せするメディアです。未来のモビリティ社会を一緒につくる仲間に、トヨタのありのままの姿、私のありのままの姿をできる限りオープンにしていきたいと思います
と説明しています。
ありのままの姿を誰に見せたいのでしょうか。
対象を「関わる全ての方」としていますが、誰にフォーカス
しているのでしょうか。
今年の労使交渉
今年のトヨタ自動車労使交渉は例年と違うプロセスになりました。
通常は1年分の交渉を2月、3月に行っていました。
これを1年分ではなく夏の分だけ会社が回答し、冬の
分は継続審議としていたのです。
そのため、10月に継続の労使交渉がまた行われたのです。
この状況を異例のこととしてトヨタイムズで取り上げています。
https://toyotatimes.jp/insidetoyota/036.html
この中で、SUBARUの話し、伊那食品工業の話しを
トップが取り上げています。
これを見る限り、社内への強烈なメッセージを発信している
ことがわかります。
「危機感が足りない」と思っているのでしょう。
「他社と比較して物足りない」と感じているのではないでしょうか。
そのように想います。
ひとりのベテランより複数の若手に
もうひとつ、気になる記事がありました。
プロスポーツ、米国メジャーリーグベースボール(MLB)の話しです。
データ野球が浸透しているMLBでは、「投資効率」を優先で
考えるようになっています。
投資した選手がどのように活躍するかを数値化しているのです。
今までのプロスポーツで評価される指標だけでなく新たな指標も
出てきており、考え方が大きく変化しています。
そのため、「ひとりのベテランより、複数の若手に投資する」と
方針が変化しています。
「ベテラン1人より、若手数人に投資する方が合理的という経営が広がっている」。・・・(略)・・・19年は若手起用で躍進したチームもあり、ベテラン不要論は勢いを増す。「データが野球を劇的に変えているが、ファンが追いつけなくなるかもしれない」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52735280Y9A121C1MM8000/
その変化にファンが追いつけなくなるかもしれないほど
急速な変化スピードのようです。
こうした流れはMLBだけのことなのでしょうか。
通常のビジネスの世界でも発生していくのではないでしょうか。
というのも、仕事の進め方が技術的に転換する次期には
「ベテランより若手」
に投資した方が効率が上がるからです。
アナログからデジタルへとビジネスの方向性は変化し、
ビジネスノウハウも様変わりしています。
そんな時期だから「ベテランより若手」という方針を採用する
企業も増えているような感覚を持っています。
業績が良いのに早期退職や希望退職を募る企業があるのは
事実で、その背景には時代の転換の影響で評価基準が変化した
ことが理解できます。
まとめ
こうして見ると、細かい事象の中に、大きな時代の
変化を感じます。
企業が時代の変化に追随するためには、変化スピードを
外部に合わせなくてはなりません。
社内の成長変化スピードに合わせていては企業の存続が
危ぶまれるのです。
この判断が経営の判断となると感じます。