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ミドルレンジのポジションは存在しないのか

【fjconsultants365日Blog:4,019投稿目】
~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

ポジション

マーケティングにはポジションという概念があります。
商品ごとに位置が決められる。
たとえば、
・ハイエンド
・ミドルレンジ
・ローエンド
といった価格帯や対象顧客層によって商品を分けて
提供している。

そのポジションの概念が変わりつつあるように
感じます。
今まで、「松竹梅」「高中低」と3つのポジションが
当たり前のように語られてきましたが、それが
成立しない事例が増えているように感じるからです。

その点を事例をもとに考えていきたいと思います。

生産終了

トヨタ自動車の「マークX」(旧:マークⅡ)が2019年12月で生産終了
となりました。


1968年から発売をしており日本では一定の知名度と
ポジションを築いていた車種です。

当時は
・クラウン
・マークⅡ
・カリーナ
という序列で売り出していました。

今の日本ではSUVカテゴリーが広がっており、セダンは
減少しています。
その中でミドルレンジのマークⅡがひっそりと
生産中止になったのです。

https://www.youtube.com/watch?v=ko8BVaYIoZs&feature=emb_title



セダンは米国で売れており、トヨタのセダンでは「カムリ」
という車種が売れ筋。
日本でも発売されているのでカムリを残し、マークXは
生産終了という判断をしたと思われます。
開発費の配分でそう決断したのでしょう。

しかし、ブランド力のあるマークXを廃止したという事実は
大きなことだと感じます。

トヨタセダン車種

ハイエンドは残る

ポジショニングの観点で考えれば、真ん中のポジションである
ミドルレンジが消滅したことになります。

カムリは残っていますが、米国仕様で開発された車種なので
実質的には日本向けではありません。
そうなると
・クラウン
・カローラ
だけになり、ハイエンドとローエンドだけになるのです。

今まで日本では「中流」という層がいる前提で商品づくりが
されてきましたが今後は中流層というのは消滅したという
考えで商品開発されるのではないでしょうか。

他の事例:ミドルレンジ消滅

航空会社業界も同様なことが発生した経験があります。
ハイエンドはANA、JALの2社。
ローエンドにスカイマークが出てきた時代があります。

しかし、その後LCCの航空会社が参入してきて、
スカイマークはローエンドではなくミドルレンジに
ポジションが変更してしまいました。
そのときに、2階建大型旅客機を導入し再度ポジション変更を
試みましたが会社は経営できなくなったのです。(経営破綻:民事再生)

大塚家具も同様です。
高級家具を扱っていた大塚家具が経営者が交代し、ミドルレンジの
店舗として生まれ変わる、と挽回を狙いました。
しかし、ミドルレンジのポジションは家具業界には存在せず
そのまま敗退。
ヤマダ電機と資本提携することになったのです。

これは、もう少し詳細に考察すると、
・高級家具
・ミドルレンジ:大塚家具が狙った
・ローエンド:ニトリ等
と考えていたと思われます。

しかし、家具業界はネット通販が急拡大したので、この
ポジションが成立しなかったのも原因のひとつなのです。

まとめ

ポジションを取る。
これはビジネスでは外せないポイントです。
新しいポジションを見つけたときに興奮しますが
実際に経営してみるとそのポジションが架空の場所だった
ことがわかることもあるのです。

今回の事例は、ミドルレンジのポジションが減少しているのを
裏付けているように感じます。
ハイエンドとローエンドだけで成立している業界が増えて
いるのではないでしょうか。

その点を見極めて経営の判断をしていきたいところです。