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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
消費を抑えた人、何人?
消費税アップ後に何か変わりましたか?
「あまり変わらない」
「キャッシュレスに切り替えた」
「抑えています、支出を」
「買う前に、必要なのか、と考えるようになった」
そんな感じでしょうか。
部分的には大きなマイナス(販売減)が出ていますが
世論的にはそうでもないようです。
そんな中で、消費税アップ後のアンケート調査が公開されています。
日銀の調査。
調査概要は
- 調査実施期間:2019年11月7日~12月3日
- 調査対象:全国の満20歳以上の個人
- 標本数:4,000人(有効回答者数2,107人<有効回答率52.7%>)
- 抽出方法:層化二段無作為抽出法
- 調査方法:質問票によるアンケート調査(郵送調査法)
となっており、約2,100人のアンケート結果になります。
結果として、消費税アップ後に支出を控えたのは全体の3割(1/3)。
消費増税後に支出を控えたとの回答は33%だった。前回14年の消費増税後の調査では60%が控えたと答えており半分にとどまった。
日本経済新聞社
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54225370Z00C20A1EE8000/
前回の消費税アップ後より半減。
前回2015年3月調査で、支出を抑えた人は6割でした。
それが今回は3割にダウンしています。
新聞記事では、上記の表現で書かれてありましたが
実際に日銀の報告書から見ていきたいと思います。
報告書から
支出を抑えた人の内訳です。
・支出を控えた:11%(14%)
・支出をやや控えた:21%(45%)
(2015年3月調査数値)
となっています。
「控えた」「やや控えた」両者の合計で考えると
・59%→32%
と確かに半減しています。
『支出を控えた』だけを見ると
・14%→11%
と2割減のみ。
『やや控えた』人だけが半減したのがわかります。
控えた商品は?
支出を控えた商品は下記。
複数回答で答えた結果になりますが、トップ3は
・外食
・衣服、履物
・日用品(洗剤、雑貨)
になります。
気になるのは、商品ごとに見ていくと、前回の消費税アップと
比較して半減している品目が限られていること。
半減しているのは
・旅行
・家電
・教養娯楽サービス(塾、習い事、遊園地、映画館)
・書籍、新聞、雑誌
・家具
・宝飾品
・通信費
で、非日常の支出がほとんど。
日常の費用は新聞と通信費ぐらいだけ。
ココが問題点。
外食、衣服、日用品は控える傾向にあるのです。
今年は暖冬なので、外食、衣服は大きな影響が出ているでしょう。
まわりを見ても、それを裏付けるような話しを聞きます。
まとめ
こうして見ると、消費税アップ後に支出を控えた人が
減ったと言えるのでしょうか。
マクロで見れば、支出を控える人の割合は前回の消費税アップ時より
減っていますが、ミクロで見れば、そうとは言い切れません。
マクロとミクロ。
両方の視点で状況を捉えていきたいと考えます。