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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
自分は大丈夫
何がまわりで起こっても「自分だけは大丈夫」と思ってしまう。
たとえば、タバコが原因で肺ガンになる人がまわりにいても、
「タバコを吸っているが自分はかからない」と思い込む。
または、まわりの人の情報を意図的に無視する。
そのような心理的な行動です。
これを【正常性バイアス】(normalcy bias)と呼んでいます。
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正常性バイアス
正常性バイアスとは具体的には
『危険や脅威が迫っていることを示す情報に対して、ある範囲内であれば、その異常性を無視や過少視し、異常を日常的な正常文脈の範囲内として処理しようとする認知傾向のこと』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jls/55/6/55_286/_pdf/-char/ja
であり、危機に直面したときなどに生じる心理です。
この正常性バイアスは、迫ってくるリスクを正しい判断を妨げ
回避行動ができなくしてしまいます。
軽く考えてしまい結果、リスクから逃げられなくなってしまうのです。
楽観性バイアス
正常性バイアスに関連して、楽観性バイアスがあります。
たとえば、
大型地震が来たときに「津波が来る」という情報が流れていても
「それほど大きな津波は来ない」
と考えて処理してしまう。
中には警報自体を無視する行動に出てしまうのです。
リスクを楽観的にとらえてしまう現象です。
「大したことないよ」
と最初に言い出す人がまわりにもいるのではないでしょうか。
同調性バイアス
まわりの誰かが
「大丈夫、大したことないから」
と言ったのを聞いて、そのとおりに受取る人がいます。
危機が発生しているのに自分で判断しない人たちです。
これを同調性バイアスと呼んでいます。
何も考えないのではなく、周囲の多数派の行動に影響されて
しまう心理です。
危機的なときは、「何も考えない」「何も行動しない」のが普通。
自分で判断するとリスクを自分で負わなければならないからです。
だから同調性バイアスにかかると考えています。
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まとめ
新型コロナウイルスにおいても同じような現象が発生しています。
濃厚接触する場所で感染が広がっているのは理解していても
「自分は大丈夫(感染しない)」
と解釈して濃厚接触行動してしまう現象です。
そのような行動から感染拡大してしまう事象が出てきており
非難されています。
しかし、その行動はこうした正常性バイアスによって説明できます。
誰しもそのような心理がはたらきます。
特に多人数で行動しているときは、同調圧力もあり流されてしまいます。
常に、いかなるときも自分の意見を持つのを日頃から鍛えておきたい
ところです。