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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

時間がない

在宅勤務が増え「ヒマですか」と聞かれることも増えましたが
逆な様相です。

時間が十分に取れるので規模の大きなプロジェクトに取り組むことが
可能になる。
取り掛かると際限なく時間がかかる。
そんなサイクルに突入しています。

今後数年間分の新規プロジェクトは今年どこまで進められるかに
かかっていると感じています。

目先も大切ですが、2年後、3年後、または5年後を見据えて
おくと時間を稼ぐことができます。
何事も時間がない、時間が限られることで絶体絶命の場面に
直面してしまう。

そのためにも資金的余裕で時間を稼いでおくか、先回りして
準備をすることで時間を稼ぐのか

そのどちらかしかありません。

経営者の時間戦略が問われる年になりそうです。

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不況期に開業・事業継承した小企業経営者

1999年なので今から21年前の文献
不況期に開業・事業継承した小企業経営者』(経済論叢:京都大学)
から抜粋します。

不況期開業者や好況期開業者の分析から、つぎのような結論をえた。好況期に開業した経営者には、有能でない者が多く含まれ、成長率が低く、不況期に開業した経営者は、有能な者が多く、成長率が高い。この結果から、好況期開業者は、さほど経営努力をせずとも企業を継続できるが、不況期には、真に強い企業、そして経営能力ある経営者のみが生き残り、有能でない経営者が淘汰される。したがって不況期は、優良企業のみに選別されていく過程と考えることができる。そして不況期開業者のなかに相対的に良き経営者が多いとすれば「不況」は全体として、次の飛躍のために経済全体の力を蓄えている。


不況期に開業・事業継承した小企業経営者 https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/45304/1/10164403.pdf

調査、データ分析から見て『不況期に開業した経営者は有能な者が
多く、成長率が高い
』と断言しています。

不況期のビジネスは不要不急を取り除いた部分で勝負します。
そのため、不況期に結果を出した経営者は有能。
好況期はその逆。
さほど経営努力をせずとも企業を継続できる』と喝破しています。

seminar

まとめ

今回取り上げた文献を自分なりに解釈すると
『実力を増やすための不況期』
となります。

不況を乗り越えることに関しては、準備している企業と
準備不足の企業との間に差があるのは事実です。

不況が来るのを想定していた会社と「まだ先だろう」と
準備を怠っていた会社。

不況が来るのを想定していた経営者の方は
「去年まで仕事量を増やしてきた」
「100%以上の受注を受付けていた」

と言っていました。

目の前まで不況が来るのを予想しながら、全力で走って
いたのです。
結局のところ、経営者の時間の使い方が現在の結果を
生んでいます。

全力で本業に集中していた方と、本業以外のことに没頭して
いた方では差が出ていると思われます。

不況のシグナルは2年〜3年前から少しずつ出ていました。
そのときにスイッチを入れられたら時間を稼ぐことができたと
いうことです。