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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
これがスクープに
『居酒屋チェーン店の大手ワタミが約2割の店舗を閉店へ』
というニュースがスクープになっています。
閉店情報がスクープときて取り上げられる時期だと
実感します。
他の居酒屋チェーン大手の動向も同じような形で
1割〜2割の店舗を削減予定としています。
上場会社はこうした不況のときに一気に不採算店舗の
整理を行ってきます。
多店舗で展開しているときはマイナス店舗を無くせば
黒字化するので早急な経営改善では有効な手段です。
ちなみに3,000店舗を有する小売店は、店舗数が少ない
時期から1円でも黒字にすることを各店長に求めていました。
マイナス店舗は即撤退。
この基準は今でも変わりません。
基準が明確なので深い傷になることなく継続できる
仕組みを構築しているのでしょう。
シンプルな仕組みですが王道です。
セオリーがある
マーケットの状況に影響される企業は大企業か
シェア率の高い企業のみです。
その市場影響を正面から受ける企業では閉店、撤退など
の早急な対応が現在求められています。
ただ、単に減らせばいいわけではなく、何をどこから
カットするのか優先順位があるのです。
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集約する
ある会社では在庫を保管する倉庫を集約しました。
ひとつにまとめたのです。
過去に倉庫を増やしたのは配達時間を短くするためと
送料コストを下げるためでした。
しかし、現在は1秒でも速く届けるというメリットを
活かせる場が少なくなっている、という判断で今回は
倉庫を集約するのを決断したのです。
送料はコストアップしますが、倉庫の固定費は下がり
ます。
倉庫維持費が集約されることで下がるからです。
言い方を変えると、集約により生産性が上がるのです。
倉庫担当の総人員が減少することもあるでしょう。
そうなれば余剰人員が発生するので新たな事業に人を
投資することも可能になるのです。
誤解しないよう
ここで間違ってほしくないのは、単なる在庫減らしでも
なく、単なる倉庫減らしでもない、ということ。
在庫の中で、減らす、保管する、増やす、の判断は
根拠があって初めて成立します。
一律に同じ割合ですべてを減らすことだけは避けたい。
これでは売れる商品まで減らしてしまい、かえって
売り上げを減らしてしまいます。
在庫はすべてが悪ではありません。
倉庫の場所も同様です。
面積の大きい倉庫に集約するのがベストとは
限りません。
あえて面積の小さい倉庫に集約して効率を上げる
手法もあるからです。
思い込みを排除して根拠ある判断をしたいポイントです。
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戦略的配置
この時期に組織図を描き直す機会が増えました。
目的は戦略的な人員配置です。
成長すべき部署を伸ばしていくための戦略的な組織図です。
再構築(Restructuring)という
言葉の方が正確に表していると思いますが、日本では
【リストラ】—>解雇
と意味に解釈されてしまいます。
純粋に組織を再構築するのは有意義な内容なのですが
社内に伝えるときは神経を使います。
再構築という表現は使わないようにして、
【戦略的な組織図にリニューアル】
と伝えるようにしましょう。
まとめ
再構築、集約化、ダウンサイジング、閉店、撤退、
などと飛び交うキーワードが変容しています。
あらためて10年前、20年前を思い出したり、
振り返ることで大きな収穫があります。
そのあたりの感覚を再度呼び起こすタイミングだと
感じます。