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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆
不況期に出てくる
不況期には思い切った企業が出てきます。
業界を破壊する企業です。
破壊者と言われ【ディスラプター】と呼ばれていま
す。
これから、ディスラプター企業が、大企業に限らず
スタートアップ企業でも出てくるでしょう。
競争が激化していくのです。
そんなディスラプター企業の方向性を考えながら対
抗策について見ていきたいと思います。
低価格提供のディスラプター企業
ディスラプター企業が提供する商品サービスは新ビ
ジネスモデルになっていることがあるので、価格は
低価格。
最安値で提案してきます。
中には無料を打ち出してきたりします。
(フリーミアム)
そのため『ディスラプター企業の脅威』と表現され
るのです。
例えば歴史ある業界では、それぞれの企業が無理な
競争をせず調和を保っているケースがあります。
お互いのお客様を奪い合わず、それぞれの経営を維
持させるようにしています。
そこには、競争がありません。
変化もありません。
こうした業界ほど、ディスラプター企業が発生して
いくのが今後です。
顧客にとっては、今までより安くて同等な商品が手
に入るのでメリットしかありません。
特に不況期になればなるほど、競争は一気に激化し
破壊者があらわれてくるものなのです。
企業経営は対策が求められるのです。
低価格に対抗するか
既存企業にとって新興企業の価格に対抗するかは判
断に迷います。
判断を間違うと自分たちだけ赤字になってしまうの
です。
そんな事例があります。
オンライン株取引を提供する証券会社は
「売買手数料無料」
で揺れています。
米国の新興企業が「手数料ゼロ」を打ち出したので、
日本では、対応が2つに分かれました。
手数料無料を追随する企業と、現状の手数料を存続す
る企業に分かれたのです。
2020年4月〜6月期の結果は、手数料無料を追随した
企業だけ赤字になりました。
新型コロナウイルスにより売買が活性化したことによ
り、手数料収入が増えたのです。
手数料ゼロに踏み切った企業だけが赤字になったとい
う事例です。
安くすれば成功するわけでもないのがここではわかり
ます。
日米ネット証券、利益なき繁忙 手数料「ゼロ化」直撃:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62093990Q0A730C2EE9000/
追随のタイミング
ディスラプター企業が参入してきたときに考えるのは
「すぐに追随しなければならない」
という先入観です。
慌ててしまうのです。
しかしそれが正しいのでしょうか。
特に上記のように収入に直結する部分を「無料化」に
踏み切るのは慎重にならなければなりません。
スタートアップ企業は、もともと売上も利益もないの
で無料化からスタートしても痛みは少ない。
しかし、利益を上げている既存企業にとっては収益が
なくなることになるので決断によって経営が左右され
てしまうのです。
ベストな選択肢は、
・他社の様子を見ながら追随準備をする
ことです。
いつでも同じようなサービスを打ち出せるような準備
をしながら、スタートを切るタイミングだけ見極める
のです。
まとめ
ディスラプター企業が参入した時ほど、経営者の実力
が問われる時期はないと思います。
一歩間違えれば、企業の存続までも脅かされるからで
す。
決断に命運がかかっています。
「慎重過ぎてもいけない、しかし大胆過ぎても誤る」
領域です。
こうした場面での経験豊かな方との対話が解決へと
導いてくれると思います。