【fjconsultants365日Blog:4,257投稿目】
~経営には優先順位がある~fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
デジタルへ移行するとき
手帳はなくならない。
使い続けている人が多い分野。
デジタルへの移行は便利だから移行する
はずだが、そうではない。
まだ、引っかかる部分があるからデジタ
ルに移動しない。
そこはなぜでしょうか。
心理的な側面がから今回は考えてみたい
と思います。
元のモノがある、ない
例えば写真。
写真はフィルムが元の存在であり、そこ
から現像して写真がありました。
種となるフィルムが存在していれば安心。
それが今はデジタルなので液晶で見るこ
とはあっても、現像までしない。
データとして、スマホの中にあり、パソ
コンの中に保存してあり、クラウドの中に
バックアップしてある。
そんな形態になりました。
どこにも、フィルムのような元のモノが
なくなっています。
マンガ家のエッセイに、デジタル化は事
務所がいらない。不要になった。
アシスタントとはデータのやり取りをし
て、背景を描いてもらったりしている、
とありました。
同業の人から
「それだと原画がないじゃないか」
と言われたとか。
元となるモノがなくなっているのです。
写真でいうところのフィルム、マンガで
あれば原画。
こうした元になっていたモノがなくなる
のがデジタル化。
手帳も同じ。
元のモノとして手元にあるとアポの情報
が保管されているように感じるのです。
デジタル化への移行は何を恐れ、何を手
離さなければならないのでしょうか。
安心感がない
元のモノを手離し、デジタル化すると、
喪失してしまう恐れが出てきます。
・情報の喪失
・手元から消失
という恐れから安心感がありません。
写真のフィルムは現像するわけでもない
のに手元にあるだけで安心です。
データが近くに存在している感じがして
保管している感覚があるからです。
それがクラウドにデジタルで保管する場
合は、なぜか遠くにデータが存在してい
るように感じます。
物理的なサーバーの場所は遠いからでし
ょうか。
見えないからでしょうか。
自分が保管している気分にはならない。
自分で100%コントロールできない感じ
がするのです。
元がなくなる寂しさ
手元から元のモノが消滅する喪失感もデ
ジタルにはあります。
原画がない、という感覚はまさにそうで
しょう。
時間をかけて作った・描いたモノがデジ
タルだと残らない。
小説家も振り返れば原稿用紙だったとき
からワープロに移行した時に喪失感があ
ったかもしれません。
文字はデータにすると容量がかなり小さ
い。数十時間かけて書籍を書いてもデー
タにすると写真1枚より小さいデータ量。
そこに喪失感を感じるかもしれないので
す。
原稿用紙なら積み重ねて満足感はありま
すが、文字データ(テキストデータ)に
は量を感じないからです。
まとめ
デジタルは「空」の概念に近い。
『存在してあるのだが、そこにはあるわ
けでもないし、ないわけでもない』
デジタル化への移行は、安心感を手離し、
喪失感を乗り越えていかなければならな
いのでしょう。
まだ仕事のツールでは乗り換えられない
部分もあるので、今後10年間はデジタル
とアナログの併存が続くのではないでし
ょうか。
これがミレニアム世代以降、デジタルし
か存在していない生活をしているので、
すべてがデジタルへ切り替わると言われ
ています。
スマホに集約されていきます。
スマホの中に情報が保管されているのが
普通になるのです。
今は、アナログとデジタルの併存期間。
どちらが良い悪いではありません。
ただ、今後の方向を考えたときにデジタ
ルやクラウドの中に安心感を見出すこと
になるでしょう。