【fjconsultants365日Blog:4,267投稿目】
~経営には優先順位がある~fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
いったい・・・
「いったい、いくらかけているんだ」
「どうして、こんな価格で買っている?」
「相見積もりしたの?」
「在庫がこんなにあるのはなぜ?」
「なぜ、2人で行ったの、わざわざ」
と、会社の中ではコスト意識のない行動
が続くことがあります。
不況や不景気には経営者が神経質になる
部分。切実です。
このような状況にあるとき、どうすれば
コスト意識を全員が持つようになるので
しょうか。
その点について考えてみたいと思います。
取りに行く
在庫は各店で共有すればいい。
そうすれば各店で欠品がなくなるはず。
もし自分のお店になければ隣のお店から
スタッフに届けてもらうか、こちらのス
タッフが取りに行けばいい。
これ、正しいですか?
欠品をなくす、という点については解決
しています。正しいです。
しかし、企業の根本である利益を生み出
すことについてはマイナスです。
下手をすれば、この行為が会社を赤字に
します。
それほど、コストがかかる行為です。
このように、小さいミクロの部分が正し
くても、マクロの結果が出ないことを
【合成の誤謬】
と呼んでいます。
部分最適できているが全体最適できてい
ない。
もしくは各論正解だが総論不正解、とで
も言うのでしょうか。
欠品をなくすために、スタッフが隣店ま
で取りに行くのは、コスト意識がない行
動だと社内で定義しなければならない。
そうしなければ、利益を垂れ流している
ことにもなるでしょう。
なぜか2人で行く
お客様のところにスタッフ2人で商談に
行く。
これも意味があるときと、ない場面があ
ります。
2人の役割が明確に違う場合、かつお客様
に利益をもたらす場合のみ2人訪問は有効
です。
それ以外は単なるコストアップでしかあ
りません。
同じ能力、同じ分野の2人が同行する理由
はありません。
たとえば、同じレベルの営業が2人で営業
訪問しているときがそれに当てはまります。
特に既存顧客への2人訪問は目的が見えない
ときがあります。
新規訪問なら目的が明確なのでメリットも
ありますので誤解なきようお願いします。
また営業と技術といった営業と専門職の
スタッフが2人ペアで訪問するのは意味
があり、お客様もメリットになります。
お客様から見て、営業が2人で来社したら
「コスト意識のない会社」
と判断してしまうこともあるのではない
でしょうか。
不景気になると、なぜか営業同行が増え
る傾向にあります。
単なる暇だから無理やりに仕事を作って
いる場合もありますので、その点は見極
めしたいところです。
相見積もりをしない
「地元の知り合いの企業に発注したいと思います」
「相見積もりは?」
「していません」
「どうして?」
「知り合いなので・・・」
と言い値で発注しようとする人もいます。
これも正しい行為とは言えません。
なぜなら、価格が適正なのかわからない
からです。
適正価格というのは市場で同一レベルの
商品・サービスを手に入れられる価格を
指します。
相見積もりをして安価なところに切り替
えろ、と言っているわけではありません。
定期的に市場の適正価格を調べ、いつも
頼んでいる会社に適正価格で依頼するのが
ここでは適切です。
在庫がないと心配で
在庫過多もコスト意識の無さを表しています。
消耗品と呼ばれる品から部品などまで様々
ありますが、在庫を適正な量にするのは大
切な部分です。
世の中に供給が安定しており、注文して
から翌日もしくは2〜3日で届くモノを過
大に在庫する必要があるでしょうか。
「注文量が多いと一個あたりの単価が安
くなるので買いました」
これも在庫を増やす要因です。
在庫にしてしまうと、会社にはキャッシュ
がなくなります。
在庫に化けます。
そうなると、滞留が発生するのです。
発注者が心配性の性格だと、自然と注文
量が多くなり在庫過多になる傾向にあり
ます。
会社で発注数量の基準設定をする必要が
ある部分だと感じます。
まとめ
コスト意識を高めるには
「自分の財布だったら、そうしますか?」
と質問し確認しています。
「会社のお金」は、自分の財布ではなく、
他人の財布。
痛みを感じないものです。
「在庫は商品(モノ)ではなく、会社の
お金だとイメージできますか」
「在庫を見て、札束に見えますか」
そんな言い方もあります。
コストも他人ごとではなく、自分ごとと
して考えられるようになるのがベスト。
そこまで意識を高めるために、上記の
質問確認を継続していくしかありません。