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~経営には優先順位がある~fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
CDO設置
デジタルトランスフォーメーション(DX)を再考する企業が増えてくるでしょう。
中には、経営層に
・CDO:Chief Digital Officer
を設置する企業も出てきます。
もしくは、現在の経営層がデジタルトランスフォーメーションの知識を有し、判断・決断できるようにすることになるでしょう。
一時的なテレワーク
2020年4月からの緊急事態宣言は、『一時的な』テレワークなどだと考えられていました。
そんなに続かない。
ひょっとしてコロナ禍が収束すれば元通りになるかもしれない。
そんな期待があったからです。
永続的なテレワーク
今回の部分的な緊急事態宣言を見て『永続的な』テレワークになりそうだと感じた人も多いのではないでしょうか。
コロナと共に歩むしかない。
そんな決断がまわりでもされています。
たとえば、比較的余裕があった企業でも事務所縮小、事務所撤退、事務所バーチャル化に踏み切る決断がされ始める段階に来ています。
4月5月に事務所撤退した企業は、緊急的避難でした。
これが今回では、これから永続的になるだろうという予測のもとに判断されているのが違います。
これから先、企業はデジタルトランスフォーメーションを実現しなければ撤退させられそうです。
具体的にどのように進めればいいのか。
その辺りを考えてみたいと思います。
DXファーストステップ
経済産業省の下記資料を参考にしてまとめます。
デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』を取りまとめ
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004.html
DXの初期段階プロセスは下記の流れです。
- ①業務環境のオンライン化
- ②業務プロセスのデジタル化
- ③従業員の安全・健康管理のデジタル化
- ④顧客接点のデジタル化
段階ごとに詳細を見ていきます。
①業務環境のオンライン化
業務環境のデジタル化とは、下記の2つ。
『テレワークシステムによる執務環境のリモートワーク対応』
『オンライン会議システムによる社内外とのコミュニケーションのオンライン化』
緊急事態宣言が出されるとテレワークに移行したので、この環境については進捗度は進んでいると思います。
ただ、製造業・運輸などは自動化されていない領域も多くデジタル環境をオンライン化できていません。
②業務プロセスのデジタル化
業務プロセスのデジタル化についてはコロナ禍の前から人手不足のため取り組みが進められていました。
業務プロセスのデジタル化は次の内容です。
『OCR 製品を用いた紙書類の電子化』
『クラウドストレージを用いたペーパレス化』
『営業活動のデジタル化』
『各種 SaaS を用いた業務のデジタル化』
『RPA を用いた定型業務の自動化』
『オンラインバンキングツールの導入』
業務プロセスのデジタル化は、RPAが出てきても決定打にはなっておらず、これも今後の大きな課題です。
ペーパーレス化ひとつとってもまだ未解決。
先は長いです。
③従業員の安全・健康管理のデジタル化
労働安全管理、健康管理のデジタル化は次の通り。
『活動量計等を用いた現場作業員の安全・健康管理』
『人流の可視化による安心・安全かつ効率的な労働環境の整備』
『パルス調査ツールを用いた従業員の不調・異常の早期発見』
ここは、実現が速いと考えています。
労働管理、安全管理は優先度が高いからです。
安全を実現できるデジタル化は投資が続くでしょう。
④顧客接点のデジタル化
顧客接点のデジタル化は、下記の進め方になります。
『電子商取引プラットフォームによる EC サイトの開設』
『チャットボット等による電話応対業務の自動化・オンライン化』
ここは、まったくデジタル化していなかった層が去年から一気にデジタル化に動いています。
たとえるならば、全国各地の商店街がECサイトに取り組み始めた、といった流れです。
ようやくですが、EC化が最後の普及段階に来ています。
初めてECサイトを開設する企業が残り少なくなってくるでしょう。
まとめ
デジタルトランスフォーメーションという言葉が先行していますが、デジタル化の内容はそれほど難易度が高くありません。
しかし、実現するのにハードルが高い。
お金の投資ハードルではなく、人の意識を変えるハードルが高いと言えるでしょう。
そのため、経営層がデジタル化への知識と理解がなければすすみません。
ということは、経営層がデジタル化への理解が少なければ後退していくのです。
理解していない分だけ後退し、最後には市場から強制的に撤退させられるのではないでしょうか。
ある意味、シビアな時期に来ていると感じます。