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~経営の解がここにある~fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆

毎日教えてもらえた時代

今はそんな時間が取れない。
仕事を教えてもらう時間のことです。

日本経済新聞の私の履歴書コーナーを読んでいると過去の時代を振り返ることができます。
活躍された方の若いとき、時間をかけて教えてもらった先輩の話がよく出ています。

何も知らない初心者だった私に毎日教えてくれた・・・。
といったエピソードです。

最近もこの文章が目に止まりました。

予算も経理も門外漢だ。そこで10歳ほど年長でこの分野のエキスパートである浜本正宏さんに教えを乞うた。毎日夕方5時から2時間、手ほどきしてもらった。1年ほど続いた。

『私の履歴書』東哲郎氏

夕方5時から2時間を1年間教えてもらった、というエピソードです。
今なら、残業になってしまいます。
今では、会社側が許可できる内容ではありません。
仕事外の残業としてみなされてしまいます。

2時間を1年間だと500時間以上のレクチャーがあったことになります。

会社では教えてくれないので


今では自主的に学ぶしかありません。
社内で年間500時間も教えてくれる体制にはならないのです。

リーダーがスタッフを教えたくても教えることができない。
時間を取ることが不可能なのです。

残業規制と成長鈍化


スタッフの成長スピードが遅いと言われ始めた時期と残業規制は関連があると考えています。
残業規制がかかるほど、社内の研修時間は減少していった。
特にOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が激減したのです。

仕事が終わってから、じっくり教える。
毎日のように練習する場。
それが社内では存在しなくなりました。

差がつきやすい時代です

仕事を覚えるプロセスは個人に委ねられるようになっています。
会社では教えてくれる部分が限定的になってきたので差がつきやすい。
大きな差が開きやすいのです。

ひとりのときでもコツコツを毎日のように新しいスキルを習得できる人だけが成長していく時期になったと理解すべきでしょう。

まとめ

過去は良かった、という話をしたいわけではありません。
過去の習慣は毎日のように教えてくれる機会があった。
今は、その教えてくれる機会を設けることができない。
それだけです。

その状況の中で、どのように仕事のスキルを習得していくのか。
成長していくのか。
目指すところは変わりません。
プロセスが変化したことを把握し、理解しておきたいだけです。

差がつきやすい、と言明しましたが、逆に競争はゆるくなります。
意志のある人だけが成長していくからです。
無理に成長させられる人がいなくなった分、成長しやすくなったのかもしれません。