fjconsultants Blog:4,570投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
賃金上昇で雇用は
この時期に、最低賃金が上がる話しが出てきました。
上げ幅も3%と大きく902円が930円になる予定です。
28円上がります。
パート・アルバイトの従業員を数多く抱えている企業にとっては切実な問題です。
最低賃金3%上げ930円 全国平均、最大の28円増 全都道府県800円超へ、雇用・消費のコロナ後見据え :日本経済新聞
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210715&ng=DGKKZO73888610V10C21A7EA2000
最低賃金がアップすると企業はコストアップになり人員を削減するのではないか。
そんな議論があります。
実際に、人は減ってしまうのでしょうか。
この議論には、次のような研究結果の流れが過去にあります。
マービン・H・コスターズ編『最低賃金の雇用に及ぼす効果』
https://kansai-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=8086&item_no=1&page_id=13&block_id=21
急激な最低賃金アップのコストアップは雇用を減らすわけでもない、という論が30年前に出されています。
そのため、急激な最低賃金は問題ないと判断されているのでしょう。
経営環境の変数
経営環境の変数には、自分でコントロールできる部分と、できない領域があります。
最低賃金は、コントロールできない領域。
追随するしかありません。
最低賃金アップによる上昇分をどこかで吸収するしかありません。
そうでなければ利益が減るだけです。
売り上げ増を企画する、値上げする、コストを削減する、効率化を進める、DX化、と変化に対応するのですが、タイミングを前倒しする必要があるのです。
ひょっとすると上昇するのではないか、と想定して動いておかなければなりません。
まとめ
こんな時期に上げなくてもいいのでは、という意見もあると思います。
しかし、コントロールできない領域なので対応するしかありません。
経営は、自分でコントロールできる領域によってリスクが変化します。
コントロール領域とリスク領域を理解することが経営の優先だと感じます。