fjconsultants Blog:4,740投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
ようやく両輪で語られるようになってきた
メディアがようやく取り上げようとしています。
北欧の実情です。
北欧の国は福祉国家である、と語られてきました。
しかし、それは国の一面しか表現していません。
実は、企業に関しては保護することは一切なく新陳代謝を前提としているのです。
オールドエコノミーの大企業は新しい産業へ移行させる。
そのために解雇規制が緩やかであり人員削減をしやすい環境です。
自動車メーカーのサーブがなくなったり、携帯電話端末メーカーのノキアも業態を通信インフラ設備の製造・開発へシフトさせておりビジネスモデルの新陳代謝を成功させています。
その点を説明せず、福祉国家だけが強調されてきたことに違和感を持ち続けてきました。
それがようやく両輪で表現されるようになってきたのです。
フレキシキュリティー
新陳代謝を促しながら、セイフティゾーンを確保している施策を「フレキシキュリティー」と呼んでいます。
具体的には下記の内容です。
フレキシキュリティーとは
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL065U70W1A201C2000000/
「柔軟性(フレキシビリティー)」と「安全性(セキュリティー)」を組み合わせた政策は解雇規制が緩やかで人員削減がしやすい一方、学びなおし(リスキリング)や再就職の支援など保障を手厚くする。1990年代にデンマークが導入し2000年代後半から欧州各国に広がった。
使い古された技術で通用しなくなった場合、社会保障を厚くしながらリスキリングなどの新技術習得を支援し再就職を促す内容です。
そのため企業やビジネスモデルも新陳代謝が可能になる施策。
合理的であり、理にかなった内容です。
まだ片輪走行状態
日本は雇用が守られており新陳代謝に壁がある仕組みです。
雇用が守られることのメリットもあり、すべてがわるいとは思っていません。
安心感があるところで人は能力を発揮します。
持っている能力を最大限に発揮するには安心できる組織が前提だからです。
しかし、その一方で新陳代謝を促進させるには雇用が守られていることがネックになります。
新陳代謝のスピードが落ちるからです。
衰退産業、シュリンクする業界においては新陳代謝のスピードが継続を左右します。
そのため、日本の体制ではダイナミックさに欠けてしまうのです。
安全性はあるが、解雇規制があるので理想の形から見れば片輪走行状態と言えるでしょう。
まとめ
新陳代謝は適度なスピードで進むのがベストです。
雇用を守りながら新陳代謝のスピードを遅くすると結局のところ誰も幸せになりません。
雇用は守られますが待遇は下がっていくだけです。
斜陽産業の歴史を見れば理解できると思います。
究極の選択になると感じますが、どちらか一方を選択しなければならない状況においては決断するしかないと思います。