ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,763投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
なぜ5人以内なのか
リーダーにはキャパシティがあります。
人数のキャパです。
各企業がリーダー育成に試行錯誤してきましたが再現性のあるリーダーのキャパは5人チームまでとされています。
5人チームならどのリーダーにも任せられる人数と言われているのです。
急成長する組織ではリーダーの成長が追いつかないのでこの法則のもとに編成されています。
このキャパが正しい理由はなぜでしょうか。
ある側面から考えてみたいと思います。
あうん(阿吽)の呼吸
日本には阿吽の呼吸という文化があります。
数多く、すべてを説明しなくても「わかるよな」という文化。
正式には『暗示的談話』と表現されます。
具体的には
Ishii (1984) 提唱モデル
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/10/2/10_KJ00008440222/_pdf/-char/ja
話し手は言 いたいことを「遠慮」の心理的フィルターにかけ、 当たり障りのない曖昧な部分のみ表現し, 聞き手は 限られた内容から相手の含意することを「察し」の フィルターを通して汲み取ることによって日本的コミュニケーションが成立する
という内容。
経験している人は多いのではないでしょうか。
阿吽の呼吸を求めるリーダーとは
これを自分のチームメンバーに求めるリーダーがいます。
以前なら阿吽の呼吸を求めても問題はありませんでした。普通のことでした。
しかし、今ではそんなリーダーのことを説明能力が乏しいリーダーとして認識されるだけです。
そう考えると阿吽の呼吸という文化でチーム運営すると2〜3人のメンバーまでしかリードできないのがわかります。
というのも、リーダーの説明能力に限りがあるからです。
説明が不足しているのを感じるのです。
メンバーが理解するまで説明していない。途中でやめてしまう。
理解しない方がおかしいという前提で話をしてしまうのです。
メンバーに確認すると「理解できません」と言っていますのでリーダーの力不足なのは明白です。
リーダーのボトルネック
ここがボトルネックだとわかりました。
阿吽の呼吸を求めているリーダーは、説明できないこと、理解させられないことを自覚しません。
そのため、自分のことを理解してくれる人かイエスを言ってくれる人だけがまわりに残ります。
その数が2〜3人程度なのです。
それが限界です。
というのも、チーム人数が5人以上になってくると機能不全を起こします。
リーダーのことを理解できない人は、そのリーダーから弾かれます。
チームが二分するか、常に1人が仮想的になっている状態が続くのです。
この現象を見るとリーダーには限界があるのを感じます。
速やかに5人以内のチームに分割するかリーダー交代しか選択はありません。
リーダーの能力向上も目指したいところですが限界があるのも事実です。
まとめ
個人の仕事の能力は限界がないと思っています。
しかし他人が関わるリーダーの力量は限界を設定してしまっているのを感じます。
成長する可能性はありますが自分が正しいという前提でチーム運営を勧められると限界にぶつかってしまいます。