ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,770投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆
住宅ローンの金利上昇
住宅ローンの金利が上昇します。(10年固定)
6年ぶりの高水準になります。
金利も上昇局面に転換する可能性が出てきています。
住宅ローン金利、6年ぶり高水準 3メガバンクの10年固定:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB317D30R30C22A1000000/
先日「住宅ローンは変動金利?固定金利?」という会話がありました。
どちらが正解なのかわからないからこんな会話になっています。
基準がよくわからないのです。
実際には、経済環境によって優位性は変化します。
これからは変動金利が良いのでしょうか。
固定金利が優位なのでしょうか。
まずは実際にどの程度の割合で変動金利を選んでいるか見ていきます。
住宅ローン利用者実態調査より
住宅ローン利用者実態調査の中に変動型と固定型のどちらを選んでいるのか結果が出ています。
これを見るとわかりますが2020年2021年と変動型を選択する人が増えています。
半数程度だったのが現在では7割近くが変動型金利を選んでいるのです。
固定期間選択型まで含めると9割の方が変動金利に連動した住宅ローンを組んでいるのがわかります。
2017年 | 2018年① | 2018年② | 2019年 | 2020年① | 2020年② | 2021年 | |
変動型 | 56.5% | 57.0% | 60.3% | 59.0% | 60.2% | 62.9% | 68.1% |
固定期間選択型 | 30.1% | 25.3% | 25.1% | 26.7% | 26.6% | 24.5% | 20.7% |
全期間固定型 | 13.3% | 17.7% | 14.6% | 14.3% | 13.2% | 12.6% | 11.2% |
住宅ローン利用者の実態調査2021年4月調査:住宅金融支援機構
https://www.jhf.go.jp/files/400356696.pdf
リスクの見極め
変動金利はリスクがあります。
リスクを理解して選択すべきだと考えています。
変動型の場合、金利が上昇してしまうと支払い期間が終わっても元金が残ることもあるからです。
(変動型は5年間返済額が変化しない5年ルール、次の5年間は支払額が上昇しても125%までというルールが主)
そのため、これから金利が上昇局面に入るなら借り換えして全期間固定へと変更するのもひとつの方法です。
金利の上昇面だけでなくインフレーションも関係があります。
インフレ局面において金利固定の借入は返済が楽になります。(収入が増えるが返済は一定なので)
貯金は目減りすることの裏返しです。
現状の利用者割合から見れば逆張りになりますが経済の転換が発生すればチャンスを失う可能性もあります。
金利がコントロールできるのか
2022年はインフレに悩まされそうです。円安が重なれば環境は悪化するだけです。
そうならないかもしれませんが、もしものことを考えて先回りしておけば苦労が減ります。
金利はコントロールできるという説とコントロールできないという説に分かれます。
市場に携わっていた方はコントロールできなかった体験があるので金利コントロールについては否定派です。
上がるときは上がる。一気に上がると過去の体験談を話しをされます。
住宅ローン金利、変動は当面下げ継続 固定上げと距離
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB011UT0R00C22A2000000/
まとめ
住宅ローンの金利については支払い期間中の金利動向によって差が出ます。
変動型金利であれば、支払い期間中ずっと低金利が続けば得をします。
しかし、金利が上昇してしまえば損をするかもしれません。
その点、固定型はリスクの見極めが可能です。
変動が激しくなる時期には安心できるのです。
その点を考慮して考える。判断する。決断することが求められているでしょう。