介護事業市場を見ると魅力的

介護事業はマーケットサイズが拡大している。そのため新規参入したい経営者の声も聞きます。「介護事業ってどうなの」という質問を受けることもあります。成長市場が少ない現在では拡大市場は注目されており新規参入する企業も多い。競争が激化しているのも事実。
今回は、介護事業の実態を取り上げてみたいと思います。

介護事業の実態

介護事業は、建物(不動産)があるから参入する企業があります。マーケットが成長しているので異業種からの新規参入の多い業界。フランチャイズ展開もよく目にします。20年前からずっと同じデイケアサービスに通っている人を知っていますが、そのデイケアサービスの建物は、もともと製造業の建物でした。オーナーが製造業関連の仕事だったのですが事業承継さ介護業界へ新規進出したのです。
実際に介護事業はどうなのか。ビジネスとして。知りたい方も多いでしょう。

この業界もコンサルティングしたことがあります。実は『スタッフありき』のビジネスで、スタッフによって大きく差が出るビジネスです。採用、教育に苦労されている企業の話も耳に入ってきます。スタッフへの依存度が高いのが特徴なのです。この仕事に気持ちが入っているスタッフがいるとビジネス自体も活性化します。売上、収益も伸びていきます。その反対にスタッフの意識がマイナスだとビジネスの継続さえ危ぶまれることになります。箱(建物・場所)があるから参入できると考えてしまうと失敗する可能性も高いです。

この業界と似ている

介護事業は、教育(塾)業界と似ている、と感じています。教育(塾)ビジネスもスタッフの熱量が会社を大きくします。スタッフの力がビジネスを成長させる原動力。同じビジネス構造だと考えています。

介護ビジネス自体は、市場も現在12兆円と大きく有望ではあります。ただ、毎年のように異業種からの新規参入もあるので競争も激しい。
そんな中でいかに差別化していくのか。そこがポイントになります。

倒産の原因

老人福祉、介護事業の倒産原因は下記の内容。

東京商工リサーチが発表した「老人福祉・介護事業」の倒産状況(2016年1-9月)によると、倒産の原因別では、順に、「販売不振」、「事業上の失敗」、「設備投資過大」

https://diamond.jp/articles/-/106534?page=2

となっており、販売不振(募集不振)、設備投資過大が大きな要因だとわかります。差別化しにくいので販売力、マーケティング力がなければすぐに販売不振に陥るのでしょう。甘くないですね。

まとめ

このように見てくると、介護事業も経営の基本的なことができなければ存続しないことを痛感します。経営の根幹には理念があることは前提。その上で、スタッフの採用、教育のノウハウを確立し販売マーケティングの仕組みをつくりあげる。基本は外せないようです。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,786投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆