経営統合の苦労話
日経新聞の「私の課長時代」シリーズは、 過去のことをそのまま書いていることがあり、とても示唆的です。 企業エピソードとしては初めて表に出てくる内容もあるのではないでしょうか。 毎回 興味を持って読んでいるコンテンツの1つです。
ある企業が取引先と経営統合をするために、経営統合プロジェクトがスタートしたときのエピソードが出ていました。 この時、一方の企業スタッフが高圧的な態度、言動を取り続けたようです。そのため最終的には経営の統合が破談になりかけたそうです。
経営統合プロジェクト・・・企業文化は全く違い、統合作業は苦労の連続・・・高圧的な言動を巡り、激しく対立・・・「そのメンバーを外さない限り、これ以上の作業は進めない」・・・何とか破談を回避
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62553520S2A710C2TB1000/
このエピソードからわかる事は、正しいことを正しく伝えているのにもかかわらず、行き違いが生じていることがあるのです。 高圧的な態度をとったスタッフの方にも、その言動を取る根拠があったのでしょう。 もしくは、相手に伝えたい内容や理解してもらいたい内容があり、それが伝わらなかったので最終的に高圧的な態度に出てしまったのでしょう。
上下関係がある場合
経営を統合するときには、どうしても企業の上下関係が発生してしまいます。対等な統合の方が少ないのではないでしょうか。 そのため経営を統合するプロジェクトメンバーの中にも上下関係が最初から存在しており、納得がいかないケースもあると思います。
こんなときは、上に立った企業のメンバーが降りていって対等な立場の言動を取る方が得策です。 相手の気持ちが平穏な状態になることからスタートさせるのです。
まとめ
どうしても相手に理解してもらわないといけない立場の場合、イエスをもらいたいがために高圧的な態度になってしまうことがあります。しかし、それはかえって遠回りになってしまう。 最初に 時間をかけることは、相手側にまず自分たちを受け入れてもらうことからです。そのためにいくら時間をかけても問題がありません。なぜなら、受け入れてもらってからは話がすぐにまとまるからです。
今回の事例から、折衝の優先順位のポイントが理解できます。
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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,934投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆