働きがい

働きがい、熱意、エンゲージメントといった単語が経営に用いられるようになりました。スタッフの働きがいを数値化し、リーダーの評価につなげる動きです。では、その働きがいとはいったい何か。働きがいという言葉に着目して、言葉の定義から用いられる背景について考えてみたいと思います。

働きがいとは

働きがいの定義を調べてみると曖昧であることがわかります。日本語では、《・・・がい》という言葉をよく使っており、意味を質問されることもありません。とくに「生きがい」という言葉はよく聞きますし、使っています。生きがいを感じる、と表現するからです。しかし、この生きがいという言葉は海外では見当たらない。一般的ではないことがわかります。

イタリア語,フランス語,英語には,日本語の「生きがい」の意味に相当する言葉はない

「働きがいとワークモチベーション」https://acguacjc.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=143&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

では、働きがいの定義は何になるのでしょうか。ひとつの例が下記になります。乱暴にまとめると、働くことに満足をし価値を感じていることになります。

「働きがい」「仕 事のやりがい」については、「働くこと、職務を遂行することにより満足感を感じている状態であ り、働くこと、職務を遂行することに価値を感じている状態である。さらに、職務を遂行することに 志向性に働き、働くことに関係する状況で生じる心理状態の総称」と言える。

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そもそも

働きがいを意識しなければならない時期に来ているのを感じます。その理由は、生活環境が豊かだからです。環境が貧しいときや欠乏感があるときに、働きがいという単語はクローズアップされません。熱意があるのは当たり前。豊かになりたいという欲求が占めているからです。なので、生活環境が豊かである中で、働きがいを問うているのを理解しておきたいところです。

指標になるのか

そもそも、働きがいが指標になるのだろうか。そんな、疑問が頭に浮かびます。そんな指標の前に優先するポイントがあるのではないかと思うのです。それは成長です。企業の成長、発展です。成長する企業にいたら、働きがいは自然に感じる。チーム単位で考えても同じです。チームが成長していれば、働きがいを感じる。チームが停滞すれば、働きがいは感じにくい。そのように感じるのです。

まとめ

働きがいについては、目的と手段を履き違えないようにしたい。働きがいを優先させたために成長が鈍化すれば意味がありません。働きがいのために現状維持にするのは、もっと意味がありません。成長を優先とし、成長後に働きがいが低ければ、働きがいに着目する。その優先順位で進めるのがベストではないでしょうか。

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ビジネスリーダーのためのWeb Magazine ファースト・ジャッジ:4,938投稿目 fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆