懸命に教えています

懸命に教えているリーダーがいます。教えている内容は人として大切なことを教えています。とても前向きに取り組んでいます。それはそれで評価できる内容です。ただ、まわりにはなぜか違和感があるようです。なぜでしょうか。

教えるが本人はできていない

「報告を習慣にしなさい、と伝えたらできるようになったんです」
意気揚々に報告をしているリーダーがいました。実績として自信を持って報告をしていたようです。それを聞いている他のリーダーはダンマリ。誰も発言もなければ、反応もない。なぜでしょうか。

実は教えている当の本人(報告しているリーダー)は、情報共有しないタイプ。報告を基本的にしません。情報統制をすることでリーダーのポジションを維持することを得意としているようです。

ただ自分を評価してくれる上司、役員、社長にだけはまめに報告をしている。自分の評価になることは前向きに取り組んでいる。しかし、それ以外は何もしない。スタッフに報告の習慣を教えている本人に報告の習慣がない。その矛盾をまわりは見抜いているのです。

まわりから評価する

このような事例見たことあるのではないでしょうか。かなりの回数で見ることがある事象です。スタッフには一生懸命教えているが、自分は実践していないリーダー。自分は教える立場だから教えているが自分が実践することに関しては関心がない。興味がない。気がついていない。

これ、社内の全員から見透かされています。スタッフに確認を取っているのでわかるのですが、スタッフ側は察知しているのです。こうした組織では評価方法を上からだけでなくスタッフからも評価してもらったほうがいい。そうしなければ気がつくこともないでしょう。

組織稼働率低い現実

なぜ、このような事例を取り上げるのか。これは組織の力学の観点から説明できます。リーダーが実践をしていない場合、その組織のバランスは崩れていきます。組織が機能しない。組織稼働率が低いのです。実践しなければならないことが実践されない。もしくは表面的に行動するだけで結果を出すための行動にならないのです。

まとめ

人は客観視ができないと他人から笑われてしまう。そんな現実があります。他人のことは、瞬時に察知し評価できるのが人間ですが自分のことはわからないようです。なので意識して自分を振り返ることができる人が成長していくのでしょう。自分の行動や発言を撮影して振り返ることができれば理想です。日頃から人前で話をしたり、映像で自分の姿を見る人は客観視ができていますが普通はそのような機会はほとんどありません。なので、気がつかないまま人生が終わっていくこともあるのかもしれません。

しかし企業にとってはリーダーは大切なポイント。経営のカギとなる存在です。なのでリーダーの成長が企業の成長と考え、成長を促す施策が不可欠だと感じます。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆