スキマ時間に読める経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ

スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための経営情報Web Magazineファースト・ジャッジ

単なる全体比較では何もわからない

理由はこれ

トヨタがEV開発を抜本的に見直すことについて以前取り上げました。
https://businesscreation.jp/2022/10/24/
その理由がこれです。

トヨタとテスラ、「1台の格差」8倍に 初の純利益逆転

1台あたり純利益の差だ。トヨタのグループ販売台数は262.5万台で、34.4万台のテスラの7.6倍だった。一方で7~9月期のトヨタの1台あたり純利益は16万5千円で、132万1千円のテスラに対し8分の1にとどまった

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD0281H0S2A101C2000000

テスラがトヨタを抜いたのです。2022年7月から9月の四半期決算において純利益が逆転。これが注目されています。その要因は、1台あたりの純利益の差。テスラはトヨタの8倍の純利益をあげているのです。

しかし、この数値比較をそのまま受けとめていいのでしょうか。疑問が残ります。

価格帯が違い戦略も違う

テスラの販売しているEVの価格帯は600万円〜となっています。フルラインナップ戦略のトヨタとは戦略が根本から違います。トヨタもテスラと同様に600万円以上のクルマしか製造販売しなければ同じような利益になるのかもしれません。なので単なる全体比較は意味が薄いと感じます。

フルライン戦略とは
経営学用語の一つで、メーカーが生産ラインを特定の製品に絞り込まずに、幅広い製品を製造して市場全体をターゲットにするという戦略

https://www.weblio.jp/content/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%97

ただ、コストリーダーシップをEVのジャンルではテスラが獲得しています。圧倒的に他メーカーを引き離しているのではないかと推測されているのです。コストリーダーシップを取ることができると戦略に幅が広がり追随する他メーカーに対して複数の戦略を繰り出すことが可能です。たとえば、他社が安値で販売を仕掛けても価格ダウンの追随も可能。販売価格を下げることもできる余力があるのです。

コストリーダーシップ戦略とは
競合他社よりも低いコストを実現することにより、競争優位を確立する戦略。ハーバード大学ビジネススクールのマイケル・ポーター教授が提唱した3つの基本戦略の1つ

https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11784.html

まとめ

テスラが今後フルライン戦略により安価な価格帯の車種も販売し始めたとき、収益がどのように変わるのかが注目されるでしょう。企業規模が拡大すれば収益性が落ちていくこともあるからです。高級車路線で台数を増やすことには限界があるので、どこかで方向転換すると思われます。そのときにまたトヨタと比較すればいいのではないでしょうか。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆