まあそうなりますよね

トヨタ自動車がEV開発の見直しをしています。「ものづくり」のことわかっていないはずの米国テスラ社に先に行かれたからです。製造方法について抜本的な見直しをトヨタ自動車は迫られています。2022年2月に取り上げたテスラの「ギガプレス」と同等のものを検討するためです。https://businesscreation.jp/2022/02/20

ギガプレスを導入すると自動車のプラットフォーム(シャシー)が一括で製造できます。数百にのぼる部品が1工程1部品になり、鋳造品、金型成形品を溶接する必要がないのです。テスラ社では、後部シャシーをギガプレスで製造すれば、300台のロボットが削減できる見込みと言っていました。前部もギガプレスを利用できればさらに300台のロボットを削減できるだろう、とも言っていたのです。通常1,000台のロボットを使用していたので削減できれば400台のロボットとギガプレスで製造できてしまいます。これでは、今までの数百の部品を溶接していた製造工程ではコスト競争になりません。改善しても追いつけないのです。よってトヨタ自動車が見直しをすることになったと推測できます。

トヨタ、EV戦略見直し検討 クラウンなど開発一時停止=関係者

https://jp.reuters.com/article/toyota-exclusive-idJPKBN2RJ0NR

改善ではなく発明

ロボット数百台でつくっていたプラットフォームづくり。まさか1工程でできるとは思いもつかなかったのではないでしょうか。通常ならば改善活動で「数百台のロボットが5%減らすことができました」といって表彰されていたはずです。でもそんなことが通用しない時期が来ているのがわかります。異業種から参入する企業は大胆なことをすることがあります。設備をもともと所有していないので、ゼロから発想することができるのです。ロボットを数百台使っている企業にとっては、ロボットを全部なくすなんて発想はなかなか浮かんでこないものです。しかしそんな発想が今は求められているのでしょう。

まとめ

今まで自分たちの強みであったことを捨て去ることができるのか。新しい発想を出すときには、強みを一旦消し去ってたほうがよさそうです。大企業であっても強みを捨て去ることができないのは事例を見てもわかると思います。1番得意なことを一旦横に置いて、ゼロから新しい内容を発想していく訓練も、やっておいて損はないのです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆