危機的状況ですね

ミーティング時の発言には本人の意思が見え隠れします。その本音をつかんでおくことは最低条件です。方向性を統一するためにも必須なのではないでしょうか。差し障りのない発言でも方向性を乱す内容もあるからです。その点は鋭く察知することだと感じます。

たとえば、「危機的状況ですね」とミーティングで語る人を見て、どう感じるでしょうか。他人ごとのように語っているように感じると思います。なぜ、そう思うのか。

もっともらしく「危機的状況」だと分析していますが、そこに自分はいません。危機的状況を解決する立場ではないと宣言しているようなものです。危機的状況を解決しなければという当事者意識を持っている人は違う言動になるはずです。

被害者意識

被害者意識がある人は「危機的状況ですね」と口にします。会社のせいで自分が被害者になっている。自分が影響を受けて損をしていると感じているのでしょう。会社と自分は分離しており、同一視することはないようです。

人手不足の場合は他の部署から応援に行くことがあります。これも人手不足という危機的状況に対して応援に行かされていると感じる人が発生することがあるのです。人手不足を解消するために自分がいるのではなく、単に応援に行かされる被害者の自分しかいないのです。

ダイレクトな課題解決へ

人手不足の状況は今後も続きそうです。そのとき、人手不足を解消するためには採用強化しかありません。しかし、採用については過去と同じことをしている企業の方が多いような気がします。採用内容や文章も前と同じものをコピペしているだけの企業おあるようです。

手間がかかる、面倒ではありますが、当事者意識を持つ人が採用内容を企画し文章を作成していきます。だれがやるの?、ではなく自分でできることを探す人が課題をダイレクトに解決していくのです。

まとめ

たったひと言がその人の人生を決めてしまうかもしれません。「危機的状況ですね」と他人ごとのように発言した人には何も任せられません。本人は任せられないことも他人の責任として感じるかもしれません。どうして任せてくれないのか。任せてくれればやるのに。そんなふうに考えているかもしれませんが、当事者意識がない人に依頼することはほとんどないでしょう。

困難な状況は周期的に必ず訪れます。そのとき自分が解決するという意識が持てる人だけが成長します。ぜひそうなってほしいと願うばかりです。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆