サーキュラーエコノミーとは

人は生きているだけで消費をします。必ず消費しなければ生活もできません。生きているだけで世の中に貢献していると言われるのは生活の消費をしているからです。消費をすることで経済を回し、貢献しているのです。しかし、過大な消費(浪費)は余分な廃棄を生んでいます。大量生産、大量消費、大量廃棄は線形経済と呼ばれていますが、現在も続いています。

生活することはゴミを生み出し続けることは否定できませんが、今後は資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止を目指す動きが強くなりつつあります。このような経済を「循環経済」と呼び「サーキュラーエコノミー」と言っています。

循環経済(サーキュラーエコノミー)とは
従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。

https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/html/hj21010202.html

長く使える

購入した製品を長く使うことを目指すメーカーが出現しています。通常ならば計画的陳腐化により買い替えサイクルを短くするのがメーカーの目標としてきました。真逆の方向性を打ち出しているのです。

たとえばオランダのスマホメーカー「fairphon」は10年間使用できるスマホと称してAndroidスマホを販売しています。そのため部品交換を自分でできるような仕様にしています。バッテリーも交換可能。https://www.fairphone.com/en/

通常スマホは現在3年間から4年間で買い替えが発生しています。そのタイミングで買い替えさせる施策が打ち出されています。それが10年間利用できるのであれば生産台数は1/3以下に減らせます。ただ販売台数の多いスマホメーカーは台数が減少してしまうので循環経済への取り組みは先送りにするでしょう。新規のメーカー、スタートアップが普及させられるのかが今後の注目です。どれだけ支持する顧客がいるのかがカギです。実際にお金を支払って循環経済の製品を購入するのかはわかりません。「大量廃棄はよくない」と考えている人であっても実際に自分のスマホを購入するときは便利性を求めたりして実際には購入しないからです。

まとめ

線形経済が成立するには条件があります。市場が拡大し続けるのが前提です。市場が縮小するタイミングでは大量生産、大量消費は問題がいくつも発生してくるでしょう。そうしたときにメーカー側はサーキュラーエコノミーの考え方を取り入れていくのではないでしょうか。今すぐではありませんが少しずつ広がっていくように感じます。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆