完成されていない型なのか

ホラクラシー型組織は過去の投稿でも取り上げていますが、成功事例を見ても、成立要因がなかなかつかめず、いまいち完成されてない型に見えます。その原因を考えていきたいと思います。

ホラクラシー型組織とは

ホラクラシー型組織とは、下記のような組織を指しています。

  • グループ制
  • リーダー不在
  • 給与一律
  • 賃金交渉なし
  • 従業員第一
  • 自発型スタッフ

グループ制ではありますが、リーダーが不在であり、人事評価はほとんどなく、給与も一律になります。成功事例は、海外の企業が目立ち、給料が一律の方がストレスがかからないようです。というのも、海外の企業では、毎年賃金交渉をしなければなりません。各自が経営者と賃金交渉をするのです。この労力がとても負担になっている人たちがいます。そのような人たちにとってはホラクラシー型組織は快適に感じるのです。賃金交渉もなければ人事評価もない。ストレスがない分、仕事に集中できる人たちです。

仕事に関しては、自分がやるべき仕事を自ら見出し、実践できる人たちの集まりでなければ成立しないと感じます。そのため組織規模が大きくなればなるほど成立しないのではないかと思われています。組織が大きくなり、グループの数が増えてきたら、ホラクラシー型は不公平に感じる割合が増えてくるのではないでしょうか。そのため、ある規模のところで成立要件が崩れていくような気がします。

再現性未定

ひとつの形として行っておくのは良いかと思います。組織のあり方は基本形がありますが、すべてそれぞれの会社の特有な形に収束していきます。なので、最終的にオリジナルを求めることになるでしょう。ホラクラシー型組織を成功させた経営者が、また別の会社で同じようにホラクラシー型を完成させられるかは分かりません。再現性がまだわからないのです。

まとめ

このような成功事例を見ると、可能性を感じますが、再現性は慎重に判断しなければなりません。慌てて自分の会社に導入するのは危険な香りがします。形だけ真似をしても成功するものではないと感じます。定着しないのではないかと思うのです。ホラクラシー型に合う価値観を持っている人たちを10人20人と集められる企業がホラクラシー型を成功させているのではないでしょうか。そうでなければ時間をかけてホラクラシー型の価値観を教育するしかなさそうです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆