強くなる傾向に
業績が良いときも「現状維持バイアス」が強くなるケースがあります。チームがあるとすれば、そのチームの秩序を乱してほしくないという気持ちが出てきたりもします。そのため、新メンバーが入っても「秩序優先」の決断をしているチームです。
こんなこともありました。担当者がエリアごとに分かれているケースで、担当変更がなかったり、エリアの見直しをしなかったりするケースです。エリアの見直しは「陣地取り」になるため、意識としては「取った」「取られた」が発生してくるのでリーダーは嫌がることがあるのです。チームの業績が好調のときは、そうした陣地取り調整をするのを避ける傾向にあるのです。成長の可能性があるにもかかわらず安全運転をしている感じでしょうか。
現状維持の弊害
現状維持の弊害を知っておくことは優先事項だと考えています。ビジネスにおいてだけでなく、世の中、自然、宇宙も含めて現状維持のものはひとつもありません。常に動いており変化しています。しかし、人間は現状維持という安定を求める資質を持ちあわせています。安定の方が安心だからです。ただ、その安定を求める姿勢だけでは人間の進化もなかったでしょう。一部の人が変化を求め進化した経緯は否定できないものです。
これも現状維持
若手の新メンバーが加入したら、1人前にするために育てますが、チームによって時間がかかるチームもあります。教育に時間がかかるチームです。このチームには特徴があります。それは、「現状維持をベースに教育している」状況なのです。何が現状維持なのか。それは、チーム内の序列であり、チーム内の文化です。序列を乱さないように育てたいのです。急激に新人が成長したら序列が崩壊します。それが嫌なのです。そのため、序列の現状維持を優先させてしまうのです。意外に多いです、このケース。
まとめ
「大事に育てています」「無理をさせないように育てています」「きちんと成長させたいと思っています」と報告された中に、裏側では現状維持をベースにした遅いスピードで育てていることがあるので要注意。その場合、被害者はだれか。そう、ゆっくり育ててもらっているスタッフです。大事に育ててもらっているスタッフが被害者になるのです。なぜなら、世の中で比較したとき、同年代の中では成長が遅いグループになってしまうからです。これでは意味がありません。そのスタッフの将来を考えたら成長スピードを遅くする理由はないと思います。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆