驚きの内容だった
記者も驚いていた記事を取り上げます。エコノミストにインタビューした内容が「100年かかる?日銀 積み上がったETF 出口は」という記事に出ています。驚いていた内容は、100年かかるかもしれない、という予測に対してです。何の100年かといえば、日銀が保有しているETF(上場投資信託)について、それを解消するのにかかる年数です。はっきりと書かれてありますが、中央銀行の禁じ手をとされたETF(上場投資信託)を介した株式の購入が12年間続いています。異常が12年間続き、常態化しています。そして、そのETF保有高が時価48兆円にまで膨らんでいるのです。
- 日保有ETF残高2022年9月末:帳簿上価格36兆円 時価48兆円
この積み上がった日銀保有のETFは東証の7%のシェア。GPIFが保有している日本株と同等かそれ以上になっています。
- TOPIX=東証株価指数構成銘柄 時価総額7%
- GPIF=「年金積立金管理運用 独立行政法人」保有日本株の時価超える。日本株保有者世界最大
日銀保有比率を見ると下記のように大きなシェアになっている企業も多数あるのです。
- 20%以上となっているのは2社
- 10%から20%未満が65社
- 5%から10%未満は401社
50年100年かかる
エコノミストの意見では
- 巨額のETF保有は大きなリスク
- 「爆弾」を抱えているようなもの
- 保有し続けるという選択肢はない
- 仮に年間3000億ほどに絞って売却した場合、100年以上かかるため、これも現実的ではない
- バランスシートから切り離す『オフバランス』の道を探るのではないか
となっており、もう1人の研究員の意見では
- 年1兆円の売却で50年、年5000億円売却で100年かかる
と予測しており、適切な出口が見つかっていません。
まとめ
国内株式市場において日銀保有(ETF経由)が時価48兆円、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が47兆円なので合計で95兆円です。日本の株式市場の時価総額は700兆円なので14%となっています。1/7を占めています。
ここまで規模が大きくなれば一気に売却すると株式市場に影響が出るので選択できません。ならば影響が少ない額で売却をすると50年、100年かかる計算になるのです。ただ、仮にインフレーションが継続し続ければ、株式市場での売却は加速できるかもしれません。
このように国債の問題とETFの出口を考えると選択肢は限られるのがわかります。おそらく、一択になるでしょう。そこに望みをかけることになるでしょう。
100年かかる?日銀 積み上がったETF 出口は【経済コラム】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230203/k10013969491000.html
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