M2マイナス60年間で初(米国)

米国の通貨供給量(マネーサプライ)の一種であるM2が2022年12月にマイナスになりました(マイナス2%)。M2とは現金などの通貨や定期性預金、外貨預金などが含まれた通貨供給量のこと。米国においてこのM2がマイナスになったことはほとんどありません。1960年の統計開始後では初のマイナスです。一説によればM2がマイナスになったのは1930年代のことで90年ぶりと表現されています。1930年代は1929年から発生した世界大恐慌の後になります。

M2が減少になるから景気後退が発生するのか。過去を振り返ると必ず景気後退になるわけではないので、ひとつの指標として知っておくだけです。https://www.pictet.co.jp/investment-information/market/deep-insight/20230227.html

ただ、M2がマイナスになった過去4回は必ず
・失業率2桁台
・銀行破綻
が発生しているという説もあり、どのように転ぶのかは分かりません。
(米国M2マイナス:1870年代、1893年、1921年、1930年代)
https://twitter.com/nickgerli1/status/1635331347177947136?s=20

(下記図は日本の場合のM2を示しています↓)

https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/data/exms01.pdf

突然やってきた

遠い昔は未経験なので書籍や映像などで振り返るしか方法がありません。過去にこんなことがあったという事実だけは知っておいて損はないでしょう。1929年スタートの世界大恐慌を振り返ると、わかることは
・突然やってくる
・突発性のイベント
・いきなり発生する
という事実です。その時期を当てることはだれにもできません。ただ、対応を準備しておくことだけです。対応といっても緊急時の選択肢を広げておくだけしかないので、今からできる準備もそれほど多くはないでしょう。

まとめ

こうしたマイナス要素の情報は「事実」と「予測」と「単なる想像(夢想)」と分けてとらえることです。単なる夢想に近い予想から恐怖心を増加させる必要はありません。過去のことからは、過去の事実を知っておくだけです。2022年の戦争も突然スタートしました。ほとんどの評論家が「今回は戦争にならない」と言っており「戦争が起こる」と言っていた人はまだ見ていません。それほどのことが発生する時期に来ているだけです。経済動向も急に何かが発生してもおかしくない環境にあることだけ自覚したいと思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆