あまり見たくない

あまり見たくない予測があります。そうなってほしくない予想です。それは、米国シリコンバレー銀行のような取り付け騒ぎが金融機関で発生したときに、どのように対応するのかを金融機関が模擬訓練実施するという記事。たった数日で決着がついてしまう取り付け騒ぎ。ネットバンキングが普及した現在では模擬訓練をしても対処できる範囲は限られるのではないでしょうか。取り付け騒ぎが発生したら「システム障害」と称してネットバンキングを止めるのでしょうか。そんな疑念も出てきます。

西日本のある地銀は最悪の事態に備え模擬訓練を実施する

https://facta.co.jp/article/202305009.html

少し話題に

異次元緩和の10年間を総括した番組が放送されました。少し話題になっています。

証言ドキュメント 日銀 “異次元緩和”の10年(NHKスペシャル)
初回放送日: 2023年4月16日

https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/list/

解説している内容はわかりやすいので興味がある方は見てほしいです。10年間で1500兆円をかけた取り組みでした。
・1兆円→100トン
なので、150,000トンになります。4トントラックだと3.75万台分に相当します。それだけの量を投じた取り組みだったのです。

長さで換算すると
・100万円→1センチ
・1億円→100センチ(1メートル)
・1000億円→1000メートル(1キロメートル)
・1兆円→10キロメートル
なので、1500兆円は15,000キロメートルにもなります。日本列島が3,000キロメートルなので、2.5往復にもなるのです。

印象的な言葉

現日銀総裁の植田氏記者会見では、
・現在の金融緩和が非常に強力なものであるということは間違いないと思います
・目標(2%の物価安定)に到達することに全力をあげたいと思う
・その際には、思い切ったことをやったことに伴う副作用についても配慮しながらさまさまな政策措置をとっていきたい
と述べています。

理事だった前田栄治氏はこの番組の最後に
・国債の残高を減らしていくとかETFの残高も減らしていくということも含めて出口が完了するのにやはりここからまだ10年20年かかります。5年じゃ絶対にできません
と明言しています。5年じゃ出口完了できないのを明言されると、先が長いことを実感します。

まとめ

この10年間の日銀の取組みは世界中が注目していました。どの国もこのような取組みは実施できなかったからです。日本だけ実施できたのです。他国は賛成が得られず、検討したが実施せず、です。
今後は、出口を模索することになるでしょう。国債の残高を減らす、ETFの残高も減らすことは難易度が高く、常に減らすオペレーションができるわけではありません。タイミングは限られると思います。そのタイミングを見計らって出口戦略を実施してくるでしょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆