ハードルが下がる

マーケティングへの取組みはハードルがありました。たとえば、営業担当をしている人はマーケティングを理解していますが、「マーケティング活動」は苦手です。マーケティングのコンテンツを作成するのにハードルがあったのです。コンテンツの準備をできる人の割合は1/10以下というのが実感です。そのため、マーケティングの専任担当を必要としていたのです。

では、専任のマーケティング担当が組織内にいることで課題は解決するのでしょうか。実際はそう簡単ではないようです。「マーケターのためのPDCA実践講座」を数年担当していますが、マーケ担当にも悩みがあり、すんなり組織内で活躍できるわけではないようです。マーケティング担当は現場を知らない、と揶揄されることもあるようです。

理想は何か

理想は、「営業担当+マーケティング担当」の両方を理解できる人を増やすことだと考えています。営業担当の中にマーケティングのコンテンツ作成ができる人を増やしていく。マーケティング担当も現場のことを理解しながらコンテンツを作成する形です。この形が実現していけば、企業規模に関係なく大きな成果を出せるでしょう。

統合か

そうやって考えていくと、職種の区分けはなくなっていく傾向になるかもしれません。あの仕事もできる、この仕事もできる、このコンテンツも作成できる、という人に仕事が集中するのでしょう。「その仕事はできない」と選んでいる人は仕事が来ないようになるかもしれません。

恐れ

冒頭にマーケティングのハードルが下がることを説明しました。ハードルが下がると企業間の競争は激化します。今までの優位性が抜かされることがあるのです。特に集客の力はWebを中心にマーケティング領域でした。今後はこの領域で差が出ないようになります。マーケティング力が弱かった企業がいきなりマーケティング力が飛躍する時期に来ています。

まとめ

マーケティングのハードルが下がる理由はAIです。AIを触るとわかりますが、プログラムなどの領域も得意ですが、マーケティング領域も非常に得意としています。マーケティングのコンテンツ制作は制作時間が1/5になるのが普通です。しかもコンテンツの品質は上昇します。ここに気がついた企業はマーケティング力が飛躍します。他の企業を追い抜いていくでしょう。いきなり実力者になるからです。ハードルが下がることで競争激化するのは見えています。過去の実力差が消滅していくのです。限りなく差がゼロになっていく世界です。すぐに差がなくなる業界と時間をかけて差がなくなる業界に分かれるだけです。マーケティング力の優位性はなくなっていくことを自覚したいと思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆