方向性はここに

経営の未来は、すでに現在進行形で形成されているといえるでしょう。具体的には、その焦点は
①価格設定
②値上げ
③高価格製品の開発(高付加価値製品・サービス開発)
へと移行しています。経営のフェーズが変わるというよりも、実のところ、すでにその変化は現実のものとなっているのです。長期的にこの流れは避けられないと考えています。

過去から局面が変わった

これに気づいている人はどれほどいるのでしょうか。あるいは、その変化に無自覚なまま、従来のやり方で経営を進めてしまっているリーダーはどれほどいるのでしょうか。

ここが、今後の経営戦略を左右する大きなポイントとなるのです。値上げの必要性については、既に多くの人々が実感しているはずです。特に近年のインフレ傾向や原材料の高騰などを考慮に入れると、その動きは明らかです。

こうしたインフレの対策を考えることは「インフレ思考」になります。過去は逆の「デフレ思考」でした。デフレ思考からインフレ思考への移行が今後のカギを握ります。思考の転換が求められているのです。

一過性と見るか

しかし、この値上げを一過性の現象、一時的な波乱と考えてしまい、大きな対策を講じない企業も少なくありません。経営計画や経営戦略は、これまで通りの進行を前提としています。しかし、このまま従来の経営戦略を適用し続けても本当に良いのか。競争がますます激化する現代のビジネス環境において、古くからの戦略を踏襲し続けることは、企業の持続可能な成長を阻害するかもしれません。

より柔軟で戦略的な視点を持ち、経営の新たなフェーズに対応するためには、価格設定、値上げ、そして高価格製品開発への対応策を具体的に考え、実行に移す必要があると考えます。

できることは限られる

とはいっても、取り組める内容は限られます。
・イノベーション
・マーケティング
が中心になるのです。高付加価値の製品やサービスを生み出すのはイノベーション。製品・サービスを高価格で提供できるブランドを構築するのはマーケティングの領域です。

まとめ

この新たな経営のフェーズへの適応は、企業の持続可能性を左右する重要な要素となります。リーダーは、この現実を直視し、その上で適切な対策を講じることが求められています。毎日のように、高額な製品サービス提供を考えたり、ブランド向上の施策を考えるのを日課としたい時期だと感じます。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆