適合・不適合

社会における適合と不適合という二元的な区分けが、気になっています。それぞれが二元的に判断され、分類されて生きています。この適合と不適合の判断基準は、その社会が正しい、つまりその基準や価値観が絶対的であり普遍的であることが前提になっています。

現実にはその社会が必ずしも正しいとは言い切れません。歴史を振り返ってみても、正しいとされた価値観や思想が、今では逆転していることも少なくありません。社会がゆっくりと転換していく時期には、何が正しくて何が正しくないのかが不明確となり、それらが混在することもあるのです。

アナログ・デジタル

別の視点から見てみると、アナログとデジタルという区分けも同様の問題をはらんでいます。今日ではデジタル化が進み、アナログが過去のものと見なされがちです。確かに、生産性や効率性を重視するならば、デジタルが優れています。しかし、それがすべてではないのです。アナログには、デジタルでは再現できない独自の魅力や価値があり、それを完全に捨て去ることはできない状況。完全にデジタルに移行していないのです。

混在状態が常態

世の中は常に変化し続けています。それは一瞬にして起きるものではなく、数十年という長い時間をかけてゆっくりと進行していきます。それゆえに、適合と不適合、アナログとデジタルといった異なる要素が混在する。それは当然のことかもしれません。

この混在する現実を柔軟に捉え、理解し、適応していくことが今後は求められます。それは受け入れることから始まるのではないでしょうか。特にビジネスの世界では、収益を上げることが最優先されます。それが企業の存在意義であり、人々が集まる理由でもあります。しかし、集団は単に収益を追求するだけでは維持できません。物質的な報酬だけでは、人々を集め、動かし続けることはできないでしょう。企業という形態自体が日本ではまだ約100年という歴史しかなく、その多くが戦後に法人化されたもの。この視点から見れば、企業制度自体がまだ成熟しておらず、これからも変化し続けることが予想されます。

働き方も

働き方についても同様のことがいえます。今後はより多様な働き方が普及し、働く人々の自由度が増すことが期待されます。これら全ての事象は、社会の変化と進化を示しているのかもしれません。その中で、我々自身も変化し、進化し続けることが求められているのではないでしょうか。

まとめ

過渡期は混在し、若干の混乱が続きます。混在時期においてバランスよく精通していることがベスト。アナログとデジタルなら、両方を使いこなす感じです。アナログが強いからデジタルはほどほどでいいという意見もありますが、偏りは偏りです。決して強いとは思えません。精神的な若さが差をつくっているのかもしれません。実年齢に関係なく、精神的な若さや柔軟さを維持したいものです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆