今度も言葉にならない

ChatGPTの進化が止まらない。7月に入ってからChatGPTの有料版に「コード インタープリター)(code interpreter」機能が追加されました。この機能が言葉で表現できないほど、飛躍してしまっています。世間では「すごい」「衝撃」といった表現がされていますが、この機能がどれほどの高いレベルなのか理解できる人は「絶句」するでしょう。では何がすごいことなのか解説していきます。

機能詳細

「コード インタープリター」機能は、データ、画像、動画を扱えるようになったことが特徴のひとつ。さらに、言葉による指示でデータを解析したり、グラフを作成したり、画像を修正したり、動画を編集できます。その生成されたコンテンツをダウンロードすることはもちろんですが、パワーポイントで出力することも可能。本当に資料作成のアシスタントがアシスタントが登場してしまったのです。

仕組み

仕組みは簡単です。言葉で指示した内容をChatGPTはPythonという言語でプログラムを書き始め、自動で実行してしまいます。たとえば「アップロードした画像を回転させるGIFを作成してください」と指示すると下記コードを自動で書き始め、自動で実行します。その後に完成したデータをダウンロードすることができるのです。その間、何もしません。する必要がないのです。

from PIL import ImageSequence, Image
import os

#Open the image file

img = Image.open(‘/mnt/data/ロゴ22_002.png’)

#Define the frames for the GIF

frames = []

#Create rotated images and add them to the frames

for i in range(0, 360, 10):
rotated = img.rotate(i)
frames.append(rotated)

#Save the frames as a GIF

frames[0].save(‘/mnt/data/rotated_logo.gif’, format=’GIF’,
append_images=frames[1:],
save_all=True,
duration=100, loop=0)

‘/mnt/data/rotated_logo.gif’

完成したGIFはこちらから見ることができます。

可能性はどこまであるのか

この仕組みだと「日本語で指示」だけすればPythonの言語で動作できることは自動化できるということです。他の事例だと
1)Webのアクセスデータをアップロード
2)データを解析して、と指示
3)解析結果を書き出してくれる
4)データをグラフ化して、と指示
5)グラフ画像が出力される
6)パワーポイントでグラフ画像を出力して、と指示
7)パワポデータをダウンロードできる
といった流れで作業できるようになるのです。

今まで
1)データをエクセルに出力操作する
2)エクセルでデータを加工操作する
3)エクセルでグラフ作成する
4)パワポに貼り付けする
といったプロセスで作業していた操作がほとんど不要になったのです。簡単にできる環境が出現したわけです。

ソフト、アプリ不要

デジタル化やDX化を目指すにはある程度、ソフトウェア、データベース、システム、アプリの操作知識が必要でした。それがコードインタープリター機能を利用すれば不要になります。操作知識がなくても、「言葉で指示する」だけで結果を得られるからです。こんな魔法が使える環境が出現したことは歴史的転換点になるでしょう。

まとめ

今までプログラム言語を書いていた人はすぐに実感していました。エクセルと格闘していた人もすぐに納得されました。それだけ衝撃的なのです。今まで利用していたソフトウェアやシステム、アプリが不要になるのは予想できます。iPhoneが出てきたときに音楽専用プレーヤー、デジタルカメラ、録音機器などが駆逐された時期があります。それと似たようなことが発生していくでしょう。すべてiPhoneに集約されていったように、ChatGPTなどのAIに集約されそうです。今後も目が離せません。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆