家族の新形態を探る
現代社会における家族の形状は、かつての伝統的な形から大きく変わりつつあります。その一方で、拡張家族という概念は今でも強く存在感を示しています。今回は、現代における「拡張家族」の形を探ります。
拡張家族とは何か
まずは、拡張家族の概念から見ていきます。拡張家族は、核家族(両親と子供)に、祖父母や叔父叔母、いとこなど、より遠い血縁関係の親族を含んだ家族構造のことを指します。拡張家族が重要視される理由は、家族全体で生計を立てたり、子育てや病気の介護などの負担を分散したり、文化や伝統を次世代に伝える役割を果たすためです。
しかし、近年の都市化や社会の変化に伴い、伝統的な同居型の拡張家族は少なくなりました。それでも家族間の緊密なつながりは保たれており、現代版の拡張家族は様々な形をとるようになっています。新しい形態も出ているのが特徴です。
現代版の拡張家族の形状
現代版の拡張家族は若干ちがいます。例をいくつか挙げてみましょう。
①地理的に離れているが頻繁に連絡を取り合う家族:
この形の家族は、離れた場所に住んでいても、インターネットやスマートフォンを利用して定期的に連絡を取り合い、情報を共有します。
②複数世代が同居する家族:
親世代、子世代、孫世代が同じ家やアパートメントで生活する家族です。これは経済的な理由からだけでなく、子育てや介護の負担を軽減するために選択されることもあります。
③地理的に近い家族:
親戚が同じ町や都市に住んでおり、定期的に集まって家族のイベントを開催したり、日常生活のサポートを提供したりする家族です。
④選択的家族(選ばれた家族):
血縁関係に限らず、友人や親しい関係者を自分の家族と見なし、家族のように助け合う関係を持つ家族です。
これらの形状は、拡張家族の核となる家族間のつながりや協力関係を維持し、相互の支援を提供するという原則を守りつつ、それぞれが独自のライフスタイルや社会環境に適応しています。最近注目されているのは④の形態。血縁はないが家族のように付き合っているケースです。これが気軽だ、と感じている人もいるのではないでしょうか。
まとめ
現代社会における拡張家族は、古典的な定義からは離れつつあるかもしれませんが、その本質はすなわち家族間の絆や支援は揺るぎないままです。それぞれの家族が独自の形状を作り出す中で、さまざまな形の拡張家族を目の当たりにしますが、これは時代をあらわしているのでしょう。なので新しい形態は注目に値します。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆